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「SHERLOCK」と「自閉症スペクトラム」について語る。ネタバレが嫌な人は気をつけて。私は「自閉症」の専門家ではないんだけど、興味があって、一時期かなり本を読んだりネットで調べたりしてたんです。その知識からの文章ということで、ご了解下さい。SHERLOCK/シャーロック DVD BOX 「SHERLOCK」なんですが、劇中でも「アスペルガー」と呼ばれたシャーロックさん、吹き替えでは規制があるのか、そのセリフは消されてしまいました。シャーロックって自称「高機能ソシオパス」なんだけど、かなり「アスペルガー」らしい演出されてるのね。今は「アスペルガー」じゃなくて「自閉症スペクトラム」って言うのが正式名称らしいんだけど(こんなんコロコロ変わるから)、めんどくさいから「自スペ」にしとく。シャーロックって「自スペ」の可能性が高い。そういう演出が多いのよ。例えば、何か見てると文字がポップアップで浮かび上がるってのも「自スペ」くさい。いや、そんな見たらポップアップ上がる症例を実際に知ってるわけじゃないんだけど。「自スペ」の特性として、情報の整理が苦手ってのがあって、視覚でも聴覚でも、人って自分に必要ない情報はシャットアウトしてるじゃん。見たいものだけ見て、聞きたいことだけ聞ける。ガヤガヤしてても目の前の人の話し声が聞こえたり。目の前の見たいものにピントがあって、周りはソフトフォーカスになってる。「定型(いわゆるふつうの人)」は、割と本能的にファジーに自動的に情報処理できる。「自スペ」の人はその整理が苦手なんで、全部見えちゃう、聞こえちゃう、だから大変。学習障害になっちゃう人もいるの。シャーロックは、普通の人が見過ごしちゃうような、服のシワとかゴミとか傷とかまで見えちゃう。で、全部見えるだけだと混乱するんで、頭はいいから論理的に分析して整理したのが、あのポップアップ描写だと説明がつくのね。絶対音感の人って、犬の鳴き声さえドレミに聞こえるっていうでないですか。あんなイメージなんだけど。生まれつきではなく、「自スペ」の視覚過敏を生き延びるために編み出した技だと思う。ほんでシャーロックが人を怒らせる名人ってのも、「自スペ」くさくって、「自スペ」の二つの特徴「ノンバーバルコミュニケーションが理解不能」「自他の区別があいまい」からだと思う。いわゆる「KY」なんだけど、別に感情がないわけではなくて、人の表情読んだり、声のトーンで機嫌を推し量ったりが超苦手なのよ。だから普通は、「なんか相手が機嫌悪くなってきたから、ここらへんでやめよう」ってならずに、キレられてから(さすがにキレるとわかる)、「あれ、なんか悪いことしたっけ」ってなるのね。で、「自他の区別があいまい」てのは、自分が知ってることは周りも知ってるだろう、同じような気持ちだろう、という前提を漠然と信じちゃってる状態。だから、否定意見言われると、えっ、知らないの?わからないの?裏切ったの?と極端に怒ってしまう。毎回、裏切られた感ばっかりで、怒りがたまってるの。かと思うと、自他境界のアイマイさから、他人をコマのように自分勝手に使おうとしちゃう。自分の分身的に思ってるから。いわゆる「クレーン現象」ですな。自分の意見は通って当たり前〜。ただの傲慢な人に見える。こんな行動してたら、嫌われるわな。さらには、前述したように、学習障害があって、常識がなかなか身につかない。特に明文化されてない、「言わなくてもわかるでしょ」は理解しにくい。知らないだけで悪気はないんだけど、言っていいことと悪いことの常識がないから、失礼な発言をしてしまう。本音と建前がわからない。「ひけらかし」も、「自スペ」で説明がつく。「衝動」というか「こだわり」というか「ひっかかり」というか、「自スペ」の人は情報の並列処理が苦手、順列で情報処理するから、ひっかかったことは言葉にして吐き出さないと、次へ進めない。もちろん、社会的にはガマンすべき時もあるが、前述したように「KY」がひけらかしを後押しする。ただし、この「ひっかかり」が推理には欠かせない。気になる事実に「ひっかかり」、それが何故かを推理すると真相が見えるっていう。やたらと記憶力がいいってのも「自スペ」の特徴だし、探偵向いてたんか?ところで、「SHERLOCK」のシリーズ1と2は、ミステリー、サスペンス、クールオシャレカッコいい、だったのが、シリーズ3になったらコメディっぽくなっちゃって違和感、て感想をよく見るのね。シャーロックがカッコいい探偵キャラから、アスペの天然ちゃん、みたいなテンションで。で、考えてみたら、シャーロックさんはシリーズ前半ではカッコつけてたんだなあ、と気付いた。つまり、「自閉症スペクトラム」プラス「中二病」の合わせ技だったのだ!そもそもコンサルタント探偵になりたいなんて、もろ「中二病」ではないか。これも「自スペ」の特性で説明つくのよ。「自スペ」の人の何がしんどいって、「ふつう」になろうとすることなんだそうですよ。その特性から、成長過程で周りとの軋轢があって「お前はおかしい」「間違ってる」「ふつうになれ」と言われ続けて、努力してもなかなかできなくて。「ふつう」の人が本能的自動的にファジーにしてる反応、情報処理、コミュニケーションを、自動でできないから全て理論的に考えて対応しようとする。脳がくたびれるほどにいちいち考えて考えて、「ふつう」になろうと努力して、それでもズレてて、なんかおかしくて、また人格否定されて、自己否定して、その繰り返しに心が折れる(か反社会的になる)。それならいっそ「変人」になる方がいい。「あの人変わってるけど、まあ害はないし」的なポジションになっちゃえばいい。酷い言葉を投げかけられても「高機能ソシオパス」だもーん、と開き直ったらいい。「ふつう」にはどうせなれないのだから、「ふつう」の奴にできないことをしてやる!カッコいい探偵ってのは、一人の天才型自閉症スペクトラムが、傷付かずに世間を生きていくための殻だった。として理屈が通ると思う。その固い殻が、ジョンに会って、初めて親友ができて、ヒビが入ってしまった。それがシリーズ3のシャーロックのように見える。それまでのもじゃもじゃ頭が、シリーズ3からはセットされてるあたり、世間に歩み寄ろうとしちゃってる。という、シャーロックが自閉症スペクトラムだと、理屈が通るんじゃないかっていう話。もちろん、自閉症スペクトラムの中でも自閉度の重さやらなんやら個人差が大きいので、上に書いた特性ってのは誰にでも当てはまるわけではないのよ。どんな人でも成長するし、変化するし。専門家ではないので、戯言レベルで聞いて下さい。そもそもフィクションだし。サイコパスと自閉症スペクトラムはまったく違うらしい。私はサイコパスについては勉強不足ではっきりいえないんだけど、一般的な説では、サイコパスはそもそも心に良心がない、思いやりがない、罪悪感がない、非情に見える。「自スペ」は、心はあるんだけど、インプットアウトプットに難があって、非情に見えてしまう。サイコパスも、自スペのように「KY」なのか?情報処理に難があるのか?それとも、情報処理できて、人の気持ちもよくわかった上で、その上で非情、同情しないのか?こだわりがあるのが自スペで、自分にしか興味ないのがサイコパス?勉強不足ではっきり言えないけど、マグヌッセンはサイコパスで、モリアーティはサイコパスではない印象。モリアーティとマイクロフトは、ただ頭が良すぎるだけな気がする。第一話でレストレードが言った「ひょっとしたらいいヤツになるかもしらんし」というセリフがあった。うっかりかなってしまった。シャーロックはいいヤツになってしまった……でもいいヤツになったからって本人が幸せになれるわけではないのよ。それで助かるのは周りの人なのよ。そもそも感覚過敏の自スペにとって、世界はトゲトゲし過ぎて、他人はギラギラし過ぎて、ウソばっかり、理解不能の煮えたぎったスープの中。大事な自分を守る術もなければ、意思もない。でも踏み出してしまった一歩は戻せない。今後、シャーロックがどういう成長を見せるのか、不安と期待です。----追記(関連項目を追加しました)----関連項目【ネタバレ】海外ドラマ「SHERLOCK」 『SHERLOCK』であれこれ 読書「スルーできない脳」(萩尾望都「A-A'」のネタバレもあり)
2015.03.09
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最近「SHERLOCK」にハマってしまいまして(^_^;)。SHERLOCK/シャーロック DVD BOX ロバート・ダウニー・Jr.でも、人形劇でもなく、イギリスBBCのドラマ、あのベネディクト・カンバーバッチの「SHERLOCK」ですよ!やっとシリーズ3まで観れました!もし現代のロンドンにシャーロック・ホームズが実在したら?、という設定のテレビドラマ。一話90分!映画なみのボリューム!1シリーズ3話で、現在シリーズ3まで。だから90分の9話、810分を勢いで観てしまいました!ぜーはーぜーはー(^_^;)(でも30分13話を3シーズン観るよりマシだったかな)日本ではNHKのBSで放送してて、人気だったらしいですね…。なんで今頃ハマったんでしょうね(^_^;)。シリーズのラストは、いわゆるクリフハンガーなオチばっかりだったから、一気に観れてよかった〜。リアルタイムだったら悶え死んじゃうよ!(^_^;)たいしたこと書いてないけど、一応ネタバレ改行。映像が笑っちゃうくらいスタイリッシュ!古さと新しさがミックスした街、ロンドンで、すら〜とロングコートたなびかせてシャーロックが颯爽と歩くのですよ。かっちょえ〜(^_^;)ベネディクト・カンバーバッチがシャーロック・ホームズなんだけど、イケメンというよりは、宇宙人ぽいというか爬虫類ぽいというか、なんか浮世離れしてるんですよ。ほんで、もじゃもじゃの黒髪でね、異邦人風、お前は金田一耕助か、と。とにかく普通じゃない。でもかっこいい!すら〜と190センチ?の高身長で、対するジョン・ワトソン役のマーティン・フリーマンがちっちゃく見えちゃう。(多分日本なら普通の背丈なんでしょうけど)身長差って萌えるよね!(爆)このシャーロックが嫌な奴でさー、頭いいもんだから、周りをバカにしてるように見えるわけ。「天才」「オレ様」「アスペ」からの〜、「ツンデレ」がすごいんですよ!今まで誰も友だちなんていなかった変人のシャーロック。そこに「ワンコ」系というより「オカン」系なジョン(^_^;)怒ったりなだめたりキャッキャッウフフで仲良しこよしで、ああもう!つまり今風に言うと「ブロマンス」、ぶっちゃけると「ホモ過ぎて辛い」なわけです(^_^;)。わたしゃ、腐ってなかったはずなんだけど、おかしいなあ。萌えるわ〜。私が一番うけたシチュはシャロ「電話取って」ジョン「どこ?」シャロ「僕の内ポケット」ジョン(……はいはい、しゃーないなー)っていう(^_^;)取るんかーい!もうなんなんでしょ、このイチャラブは!で、会う人会う人に「彼氏?」とか「付き合ってるの?」と聞かれて、いつもジョンがムキになって否定するお約束。ですよねー、見えますよねー(^_^;)。元々の「シャーロック・ホームズ」って、児童向けでしか読んだことないんだけど、そんな私でもわかる原作からのパロディ?引用?が多いよ。事件も「ピンク色の研究」とか「ベルグレービアの醜聞」とか、思いっきり原作ひねったのだし。シャーロキアンだと面白いネタがいっぱいなんでしょうなあ。ジョンはシャーロックの冒険小説を書いてるんじゃなくて、ブログを書いてるのが今風。このブログがちゃんとネットで公開されてるという!(^_^;)製作者わかってるね!(ドラマ見た人はぜひ検索してみて!)(でもネタバレになるから時期に気をつけて!)まー、正直言うと、大の大人が知恵とお金をかけて大真面目に作った、二次創作って感じ。そんなこと言い出したら、原作付き映像作品は全部二次創作になっちゃうけど。でもやっぱロバダニとも違うし(もちろんあのジェレミー・ブレットのホームズとも違う)、なんか製作陣のドヤ顔というかニヤニヤ顔というか、はしゃいでる感じが滲んでるのよねー。ヲタクっぽいのよねー。テンションおかしいってゆーか。かゆいところに手が届くってゆーか(^_^;)。マイクロフトもレストレードもアイリーン・アドラーも出るよ!もちろんモリアーティもね!モリアーティはシャーロックのストーカーになってて、つまりモリ→シャロ→ジョンで大変なことに!なんだこの公式が最大手!燃料撒き過ぎ!もう早く結婚しろ!(^_^;)マイクロフトが原作のイメージと違って、痩せぎす長身冷酷キャラでして、シャーロックといがみ合ってるの。だけれどもたまに見えるデレが!(^_^;)このブラコンめ!ほんでマイクロフトの中の人は、ガチゲイで同性の嫁さんがいるという…なんなんだこれ(いいぞ、もっとやれ!)演技が素晴らしい、吹き替えで観たからセリフ回しはわからんけど、顔芸素晴らしい!リアクション芸が冴え渡るでー。劇中でシャーロックはよく演技もするんだけど、演技の笑顔と、ほんとの笑顔と、まー、よく使い分けできてる。ジョンはよく怒ってる、か笑ってる(^_^;)。もう笑うしかないよね、シャーロックといたんじゃあとんでもないことばっかり。壁に資料貼って推理するのって、「プリズンブレイク」みたーいって思ったり。あれに出てくるマホーンさんてもろシャーロックだったなあ。結婚式のときは、会場の模型まで作って(^_^;)何のミッションだよ!や、私は「801ちゃん」を読むまでそういう業界のことは詳しくなかったニワカですが、日本には昔から腐女子文化っちゅうのがあるじゃないですか。最近は海外にも腐女子がおるそうで。その海外の投稿サイトに、「SHERLOCK」のイラストやら二次小説やらが溢れかえって大変なことに!かなりまあなんというかガチなのが(^_^;)。そしてついに本編にまで腐女子が登場!で、私のスタンスとしては、プラトニックであってほしーなー、なんです。なんかファンフィクションでは、男の妊娠とか、女体化とかあるんだけど、ちょっと違う(あくまで私個人的には)。(てゆーか、ほんとにあるんですよ、そういうジャンルが! 別に私が言ってるんじゃないのよ)男女カップルの、性欲とか打算とか依存とか世間体とかのよくある地上的な理由ではなく、純粋に孤独な魂が惹かれあった故の結び付き、であってほしい。でも私の一押しはジムシャロ!そんなキャラ萌えは置いておいても、ストーリーも映像も面白いのです(小並感)。ミステリーありサスペンスありコメディあり。そしてついにシリーズ2のラストでやらかした!元ネタは「最後の事件」なので、だからもちろんシリーズ2のラストでシャーロックは死んじゃうのです!自殺してしまうのです!ジョン、ショック!(でももちろん生きているのです。これはもう原作からの有名なネタバレなんだからしょうがないじゃない?)このトリックが明かされないまま、次のシリーズ3まで2年放置!つまり、これは「ひぐらし」だ!(昔「ひぐらしの鳴く頃に」ていうゲームがあってだな…)ネット上で自殺偽装トリックの考察が盛り上がる盛り上がる。踊らされてるなー。やっと全話観れてほっとしました。シリーズ4制作中らしいけど、放送されたらまたすごい祭になるでしょうなあ。楽しみ!----追記(関連項目を追加しました)----関連項目「SHERLOCK」の自閉症スペクトラム的演出について 『SHERLOCK』であれこれ これ↓も最後まで観たら最高にホームズもの二次創作なので置いておきます。 詳しく書くとネタバレですが、かなりエモいです。【ネタバレ】映画「屍者の帝国」の感想/死んでたら何してもいいのかよ
2015.03.09
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