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May 5, 2020

料理人失格

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料理人失格

つい最近、二週間前、岐阜の時に大変お世話になっていたご家族の奥様が、天に逝かれた。

まさか、まさか、聞いた瞬間、信じれない理解できない空間を感じた。
夢であってほしいと。

私より少しだけ上の方で、どこから見ても、元気そうで、冗談もいい、
食べ物にも、ほんと、気を使われていた。
自分的には、お姉さん、と言っていた人だ。
それだけに、まさか。

ガン

ミオオルトが名古屋に来て、2年と9カ月、
そう、まともにかぶっている。

この話は、ミオオルトのテイクアウトしてます！から、
ご主人が電話してきてくれた、からの話。

「もう武藤さん、名古屋に行ってからどのくらい経ちました？」

あっ、そうですね。

そして。

とにかく信じれない。
聡明、品のある素敵な人というのは、このような女性だと、
お会いするたびに、妻とやっぱり、彼女は違うね、と言っていた。

あっ

名古屋に来て、一年目の奥様の誕生日のその日に、
今日、食事に行けませんか？と連絡していただいたのは、まさか。
(毎年奥様の誕生日にご来店されていたから)

定休日だから断ってしまった事を思い出した。

「そうですね、その日その日で体調が良く悪く、予約もできないので、

あっ、

声も出ない。

「なんて俺は馬鹿なんだ、すみません」と、だけしか言えなかった。

「いや、こちらの事情も」

ここからは、私の想像ですが、奥様の誕生日に何が食べたい？と聞かれたと、思うんです、その時に、家族で行ったミオオルトだと。
また皆んなで食べたいね、と。

あー、俺は料理人失格だし、人として人間失格だと。
書きながら涙が止まらない。
悔しい。
情けない。

なんのために、料理人をしているのか？
その人の立場に立ち、何故考えなかったのか！
何故、何か声をかけて、もうすこし事情をつかむ努力をしなかったのか。

まだまだたくさん生きていたかったはず、しかし、時間は限られている。
その中で、その中で！

有難う、お姉さん、お姉さんは私の中で強く生きているよ、
だって、

僕と誕生日が一緒な、唯一の人だからね！

またね。グラッツェ！

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