2011.05.08
カテゴリ： 手あみ
昨日登場したななめ編みのプルオーバーは、棒針編みで作っています。
ななめ編みの作品をかぎ針編みで作ろうと思うと、かぎ針編みはわりと動き（編み進み方向）の自由度があるので、さほど難しくはなさそうな気がします。
では、アフガン編みは？
アフガン編みは、往路で全目が針にかかるので、編み進み方は基本的には棒針と一緒。
ですから、設計や技法の難しさは棒針編みと同程度でしょうか。
ただ、アフガン編みは編み地の右側と左側で増減技法が異なるので、その意味では棒針よりは難しいのかも。
じゃあ、過去にアフガン編みのななめ編みで作った作品を、誰か発表していないかなぁ？
いろいろ探してはいるのですが、そもそもアフガン編みの作品自体が少ない。
そんな中、先日、よく行く古本屋でひとつ見つけました。
「残り糸活用法 斜めアフガン編のベスト」。
プレーンアフガン編みのななめ編みで長方形の編み地を作り、脇とじと肩はぎをしただけの、仕立て自体はシンプルな前開きベスト。
ここでは、ゲージをとって編み目比出して割出しをして…というのは省略して、編み地が直角になっているかを編みながら確認しています。
しかも、この作品のもう一つのテーマが「残り糸活用」で、13種類もの残り糸（5～75g）を順々に使って、グラデーションのような効果を出しています。
材質も太さもバラバラですから、ここではゲージをとって割出しをすること自体があまり意味がありません。
これは面白いアイディアニットですね。
では、このななめアフガン編みを応用して、もうちょっとシルエットや着やすさをプラスしたウエアは作れるでしょうか。
袖ぐりや衿ぐり、肩下がりなども、割出しすることは可能だと思います。
ただ、心配なのは、編み地の伸縮。
この斜めアフガン編のベストの但し書きにも、
「見幅寸法は減目に入るとつまる可能性があるので1～2cm位多くしておいた方がよい」
とあります。
まっすぐ編みでは気にも留めなかった部分で、いろいろと問題点が浮上してくるのでしょうね…
「文部省認定 毛糸編物技能検定試験 受験の手引（1級）」にも、ななめ編みをする際の注意点がいくつも記載されています。
「斜め編の傾斜の度合いは、作品の感覚面でも影響するが、実際に編む場合には、素材と編目の伸縮する度合いと、傾斜の角度の関係を考えて、形や寸法の狂いがないようにすることが必要である。横長の形になればなるほど、横に伸びる率が多くなるため、伸びる分量を考えて、目数の計算をしたり、横に伸びにくい編方にしたり、無理のないデザインにすることが必要である。」
このあとに、傾斜の角度により目数や段数を何％引いたり足したりせよ、という説明があります。
さらに、
「えりぐりは斜めの傾斜度によって、伸びのきく場合もあるが、きかない場合もあるので、頭の入らないえりぐりにならぬよう注意すること」
だって。
製図どおりに編めても、いざ着てみると「？」というようになってしまう恐れが大ということでしょうか。
これは、ななめ編みの試作をいくつか作って、感覚をつかんでおかないと、いきなり良質の糸で編んでしまって「もったいない」ということになりかねなさそうですね…
手編みの本基礎＆技法【ヴォーグ社】アフガン編み「記号の見方から作品づくりの仕上げまで」
ななめ編みの作品をかぎ針編みで作ろうと思うと、かぎ針編みはわりと動き（編み進み方向）の自由度があるので、さほど難しくはなさそうな気がします。
では、アフガン編みは？
アフガン編みは、往路で全目が針にかかるので、編み進み方は基本的には棒針と一緒。
ですから、設計や技法の難しさは棒針編みと同程度でしょうか。
ただ、アフガン編みは編み地の右側と左側で増減技法が異なるので、その意味では棒針よりは難しいのかも。
じゃあ、過去にアフガン編みのななめ編みで作った作品を、誰か発表していないかなぁ？
いろいろ探してはいるのですが、そもそもアフガン編みの作品自体が少ない。
そんな中、先日、よく行く古本屋でひとつ見つけました。
「残り糸活用法 斜めアフガン編のベスト」。
プレーンアフガン編みのななめ編みで長方形の編み地を作り、脇とじと肩はぎをしただけの、仕立て自体はシンプルな前開きベスト。
ここでは、ゲージをとって編み目比出して割出しをして…というのは省略して、編み地が直角になっているかを編みながら確認しています。
しかも、この作品のもう一つのテーマが「残り糸活用」で、13種類もの残り糸（5～75g）を順々に使って、グラデーションのような効果を出しています。
材質も太さもバラバラですから、ここではゲージをとって割出しをすること自体があまり意味がありません。
これは面白いアイディアニットですね。
では、このななめアフガン編みを応用して、もうちょっとシルエットや着やすさをプラスしたウエアは作れるでしょうか。
袖ぐりや衿ぐり、肩下がりなども、割出しすることは可能だと思います。
ただ、心配なのは、編み地の伸縮。
この斜めアフガン編のベストの但し書きにも、
「見幅寸法は減目に入るとつまる可能性があるので1～2cm位多くしておいた方がよい」
とあります。
まっすぐ編みでは気にも留めなかった部分で、いろいろと問題点が浮上してくるのでしょうね…
「文部省認定 毛糸編物技能検定試験 受験の手引（1級）」にも、ななめ編みをする際の注意点がいくつも記載されています。
「斜め編の傾斜の度合いは、作品の感覚面でも影響するが、実際に編む場合には、素材と編目の伸縮する度合いと、傾斜の角度の関係を考えて、形や寸法の狂いがないようにすることが必要である。横長の形になればなるほど、横に伸びる率が多くなるため、伸びる分量を考えて、目数の計算をしたり、横に伸びにくい編方にしたり、無理のないデザインにすることが必要である。」
このあとに、傾斜の角度により目数や段数を何％引いたり足したりせよ、という説明があります。
さらに、
「えりぐりは斜めの傾斜度によって、伸びのきく場合もあるが、きかない場合もあるので、頭の入らないえりぐりにならぬよう注意すること」
だって。
製図どおりに編めても、いざ着てみると「？」というようになってしまう恐れが大ということでしょうか。
これは、ななめ編みの試作をいくつか作って、感覚をつかんでおかないと、いきなり良質の糸で編んでしまって「もったいない」ということになりかねなさそうですね…
手編みの本基礎＆技法【ヴォーグ社】アフガン編み「記号の見方から作品づくりの仕上げまで」
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