きょうもよしあしありなし
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私はどっちかっていうと辛党である。よしながふみの『西洋骨董洋菓子店』で橘氏が立て板に水とケーキの説明をしてくれても全然ぴんと来ず、最終巻で前菜を同じように描写してくれたところでやっと「あぁ、うまそうだなぁ、そうかぁ、これまでも ケーキはこんなにうまそうな描写が並んでたのか~」と気づいたくらいであった。甘いものは子どもの頃は本当に苦手だった。うちの母は反対で、下戸の甘党。羊羹が4cm以下の厚さだとケチくさいと文句を言うんだが、ワタシにとって、羊羹ほどもそもそして重いお菓子はなかったから、母が羊羹を切るたびに身の毛がよだつほどツラかった。4cm二切だと合計8cmもあるじゃんか。そのまま体質が変わらなきゃ、今もダイエットで苦しむ必要はなかったはずなんだけどね。なんで、ま、今でもどか~~んとしたお菓子は嫌いだ。甘いものはちょびっと上品な甘さで、できれば、ほのかに塩味が混じってるといい。 ~*~*~*~先日事務のKさんが京都のおみやげをくれた。小さめの焼きまんじゅう?おや、皮がもちもち。おいしいじゃん。焼きたてだったらもっと美味しいだろうなぁ。最近話題ですぐ売り切れちゃうんだそうな。そのときに「阿闍梨餅」というものを覚えた。それから少し経って、「鶴屋吉信」の詰め合わせ箱をもらった。ここの「京観世」は好きだ。ただし、1cm以下の厚さに切ったとき。「柚餅」もおいしい。一切れが小さいのが良い。あけてみるとどっちも入ってなくって、一口サイズのおまんじゅうと二口か三口で食べれそうな二つ折りのうすいどら焼きのようなもののセットだった。解説書が入っていて、そのミニどら焼きは「つばらつばら」というもので大伴旅人の歌から名前を取ったそうで、雑誌『BRUTUS』で「手みやげNO.1受賞」とイバっていた。ふふん、そんな能書きにはだまされないゼと一口食べたが、あれぇ、おいしいじゃないの。どら焼きの皮がもちもち。ワタシも日本人の多分に漏れず、もちもちには弱いぞ。その皮が蜂蜜で上品に甘く、餡もしっかりとしてる。これはてみやげナンバーワンだなぁ、イバってもいい、許してつかわす(^-^)。あぁ、二口で食べ終わってしまった・・・・・・・・・。しばらく考えて、もう一袋へ手をのばした。美味しかったけど、あとで胃にもたれた。美味しいものはもうちょっと食べたいと思うくらいでやめておくのが一番美味しい。 ~*~*~*~4月、ワタシは東京に向かっていた。歌舞伎を見るためなんだが、この月、仁左衛門、玉三郎、勘三郎の切符売りビッグスリー(マスコミへの露出度とは必ずしも一致してないんだよね)が一座したのに、ワタシったら、申し込みが一般売りのあとになっちゃったんだよね。いつもはそれでも却っていい席がもらえたりするんだが、今回だけは留守電に「今切符が確保できないので、4月になってから返事する」と入ってた。こんなの、後援会に入って十数年、初めてだよう。4月に入っても音沙汰なく、確認の電話をかけると「ムリです」と言われちゃいそうだし、あと一週間切っても電話がないし、もう諦めてたんだよぉ。ホントにぎりぎりで「取れましたから、来て下さい」の電話もらって、楽天トラベルでホテル申し込んで、2日前のせいか割引率も高かった。当日は大急ぎで飛び出して、京都に向かうが、こんなムリさせちゃったんだから、手みやげくらい渡してもいいよね、これからのこと考えたら持って行くべきだなぁ、さて、気の利いた手みやげというと・・・で、思い出したのが上の2点だった訳。伊勢丹の地下にはあるんじゃないかな。行ってみました。新幹線の時間まで25分ほど。おりていくと阿闍梨餅!行列できてます。本来、ワタシは食べるもので行列するのはイヤじゃ。しかし、今回はワタシの欲望のためじゃないので、7mほどだが、とりあえず並んでみる。店員さんに何分くらいかかるか訊くと「15分くらいですかね」。う~~ん、びみょ~~~。その新幹線に乗り遅れると開演時間に遅れる可能性あり。これは「つばらつばら」の方だな~。こっちは並ばなくても買えた。箱を持って行くと大層なので、袋詰めにしてもらった。10個頼んで、あとで自分のために1個追加した。来た通路を戻り、新幹線のコンコースに入るとなんとなんと、コンコースのここ彼処に「阿闍梨餅」が並んでいるではないか。これは並んで買ってたら相当なダメージを受けてたなぁ。伊勢丹だと焼きたてだったの?焼きたてだったとしても、東京付いた頃にはどうせ冷めてるし。鶴屋吉信も京都の老舗として、商品は出しているが、今売り出し中の「つばらつばら」はあえて売っていない。この辺が老舗はさすがにしっかりしてらっしゃる。商品価値の中には希少価値というものもあるのだものなぁ。 ~*~*~*~ひょっとして「阿闍梨餅」は一般名詞で、行列が出来てるとことは違うメーカーだったりしないかと懸念もあったが、こちらのブログの記事で「知る人ぞ知る」のカジュアルなおみやげだったのが、「今や<あの阿闍梨餅> 」になったとあるので、同じ阿闍梨餅だったのだ。断面や本店、綺麗な紅葉の写真もある。こっちは「つばらつばら」の記事、お菓子の描写も素敵。
May 14, 2008
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