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2019.11.18
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カテゴリ: 探訪
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大神神社の大鳥居を過ぎて右折し上ツ道を北に進みます。しばらくは三輪山を東に眺めながら歩むことになります。

三輪中学校 の校門前を通りますが、校門前の左側に案内板が設置されています。
この辺りが「 芝遺跡 」であることを説明しています。

弥生時代前期から後期にかけての複合遺跡が発掘されたそうです。纏向川の沖積地で、東西約700m、南北約400mの範囲で集落遺跡が発掘されたと言います。


道沿いには、古き時代の町家の姿をとどめる建物がみられます。


中学校の少し先で、東に右折して進むと、 芝公民館 があります。その公民館に隣接するところから、濠が一部残っています。濠端を回り込み、白い柵に沿って北方向に回り込みます。 ここはかつての芝村藩陣屋があったところ だそうです。南門があったところから、北の「芝陣屋跡」に進みます。北へ左折した道路の東側にも濠が残っています。
現在この辺りは住宅地になっています。

道路の先はT字路になっていて、突き当たりの正面はスロープの先に、鉄筋コンクリート製の 陣屋の門構えを模した建物 があります。「 桜井市立織田小学校 」です。

校門前の向かって右側に「 芝・陣屋跡
「戒重織田家の七代藩主輔宣の時代に戒重から芝に陣屋を移した。延享2年(1745)のことである。総面積は約8haに及び、北の弁天池を防備の一郭に取り込み、周囲に濠と土塁をめぐらした。上街道に面した西門を入れば大手筋で、他に南と北に入口があった。現在織田小学校の広場、石垣、土塀の一部が、当時のおもかげを残している。」 (案内板説明文転記)

芝村藩は織田有楽斎長益の四男長政を祖とするとのこと。宝永元年(1704)四代藩主織田長清が戒重からこの地に居城を移すことを決めていたそうです。それが実現するのは上記の七代藩主の時だとか。 (資料1)
ここは、 元は岩田村 と称されていたのですが、中世城郭戒重城から、北東4kmのこの地への陣屋替えを幕府に願い出て、 1713年(正徳3)に地名を芝村に改称 したと言います。 (資料2)


地図で調べてみますと、 JR桜井駅の西方向に 大字戒重 という地名があり、ここには「 大和戒重陣屋跡 」が残っているようです。

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この小学校の外壁 です。陣屋の石垣と土塀のおもかげを再現しているということでしょう。
織田小学校前の道を西に進みます。

途中、2箇所で お地蔵さまの小祠 をみかけました。その一つです。

大きな池 の畔に至ります。北に見えるのが「 箸墓古墳 」です。
 石灯籠の竿に「 九日社 」と刻されています。

九日神社 」です。
駒札によれば、 祭神は多紀理比賣命 (たぎりひめのみこと) 狭依理比賣命 (さよりひめのみこと) 多岐津比賣命 (たぎつひめのみこと) です。素戔嗚尊の十握剣を天照大神が三つに折り、口で噛んで生じた三女神です。いわゆる 宗像三女神 です。
狭依理比賣命の別名は市杵嶋姫 (いちきしまひめ) で、こちらの方がよく知られているかもしれません。 (資料3)

また、 ここは廣讀寺址 だと言います。「弘安6年(1283)、叡尊が105人に菩薩戒を授けたと『感身学正記』にのこる」 (資料1) そうです。


九日神社から、南西方向にある「 慶田寺 」に向かいます。今回予定の最後の探訪先です。

東門前を通り過ぎ、 山門 側に回ります。

境内を拝見する予定だったのですが、当日お寺で葬儀の準備が行われていて山門にも葬儀の幕が張られていました。そのため境内に入ることは中止。 山門の鬼瓦 だけ撮ってみました。
慶田寺の山門は先ほどの芝村陣屋の大手門を明治4年に移築したもの だとか。 長屋門 です。 (資料1)

築地塀の一隅には、「 身代延命地蔵尊 」が祀られています。

曹洞宗のお寺 で、 芝村藩織田氏の菩提寺 です。文明2年(1470)海門和尚により開基されたと言います。お寺の 納骨堂には、廣讀寺の本尊だったと伝わる阿弥陀如来坐像と、十一面観音菩薩立像が移座され安置されている そうです。 (資料1)
いつか機会があれば、再訪し見仏したいものです。

講座での史跡探訪は慶田寺近くのバス停前にて解散となりました。
この後はJR巻向駅まで歩くというオプションが提案されました。駅に向かう途中で箸墓古墳の傍を通るとのこと。勿論それに便乗です。ということで、以下はその行程のご紹介です。


上ツ道を北進 します。前方に箸墓古墳が見えています。

途中に、こんな 周遊ルート案内板 が設置されています。

道路傍で目に止まった 石碑 。漢字が彫られていますが判読できません。万葉仮名で彫られている雰囲気なのですが・・・・・。
 途中には道標も整備されています。


箸墓古墳 。後円墳部のすぐ傍を通ることになるとは思っていませんでした。


すぐ傍を通る道路は、すぐに古墳との間に農地が広がり、距離が離れます。その西の方は現状では のようです。


        池の対岸の景色をズームアップ。さらに西にみえるのは 二上山 です。

道路脇にこの案内地図が設置されています。

      部分図を切り出してみました。(右側が北、左側が南になります。)

箸墓古墳の航空写真 が掲示されています。
箸墓古墳は「全長272メートル、3世紀後半ころの築造で、宮内庁によって倭迹迹日百襲姫命の墓に指定されている前方後円墳。『日本書紀』には、昼は人が造り夜は神が造ったとの不思議な記事が残る。」 (資料4) と説明されています。前方後円墳の中では最古式の一つです。邪馬台国の女王「卑弥呼」の墓ではないかという論議の対象として話題に上る古墳です。謎を秘めたロマンがあります。


箸墓古墳の方位を地図で確かめると、大凡この様な位置関係になっていて、赤色の矢線を付けた道路(上ツ道)を歩いていたことになります。
こんな標識も 設置されています。


その先にあるのが、この場所です。


この掲示板に貼られている「 纏向遺跡ガイドマップ 」は桜井市立埋蔵文化財センターで販売されていると上部に貼付されています。


         纏向遺跡の発掘調査後の 史跡保存地区 です。


そこから数分で、 JR桜井線の「巻向」駅 です。

駅前に上掲の案内地図の掲示板と併せて、 纏向遺跡について のこの 案内板 も設置されています。


巻向駅のプラットホームに立ちますと、北端側に柱状のものが林立しています。



ここも「 史跡纏向遺跡 」です。発掘調査で発見された建物の柱の配置状態が再現されています。
JRの線路の下も、たぶん遺跡の続きなのでしょうね。

巻向駅到着で、この探訪も終了です。あらためて多くの探訪課題が発見できた半日でした。

ご覧いただきありがとうございます。

参照資料
1) 龍谷大学REC 講座レジュメ「関西史跡見学教室34 ~大和・三輪~」 
  (2019.10.10 松波宏隆講師作成)
2)​ 芝村藩 ​  :「コトバンク」
3) ​ 宗像三女神 ​ :ウィキペディア
4) ​ 箸墓古墳 ​  :「さくらい」(桜井市)

補遺
芝村藩 ​  :ウィキペディア
桜井市立埋蔵文化財センター ​  ホームページ
桜井市纏向向学研究センター ​  ホームページ
  ​ 纏向遺跡ってどんな遺跡? ​ 
纏向遺跡 国史跡 ​  :「始まりの地! それは桜井」(桜井市観光協会)

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

探訪 奈良 三輪をめぐる -1 三輪駅付近・恵比寿神社・金屋石仏ほか へ
探訪 奈良 三輪をめぐる -2 磯城瑞籬宮伝承地・志貴御縣坐神社・平等寺 へ
探訪 奈良 三輪をめぐる -3 大神神社(巳の神杉・拝殿・祈祷殿・宝物収蔵庫ほか) へ
探訪 奈良 三輪をめぐる -4 大神神社(久延彦神社・大直禰子神社・二之鳥居・大鳥居ほか)、地蔵堂 へ


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Last updated  2019.11.18 21:28:45
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