京極夏彦「百器徒然袋ー雨」 | 未定の予定～ラビ的非日常生活～

100万ポイント山分け！1日5回検索で1ポイントもらえる

365900

ホーム | 日記 | プロフィール

【フォローする】【ログイン】

フリーページ

My未読本リスト

< 新しい記事

新着記事一覧(全1856件)

過去の記事 >

2006年07月09日

京極夏彦さんの「百器徒然袋ー雨」を読み終わりました。
今作は「京極堂」シリーズの人気キャラ・榎木津礼二郎が主役の中編集です。
刊行されたのがシリーズ７作目「塗仏の宴―宴の始末」の後に当たる為に「狂骨の夢」までしか読んでいない私にとって知らないキャラや分からない事件も多々ありましたが、ある程度のディティールは分かっているので問題なく楽しめました。
おそらく、今シリーズを１作も読んでいなくても楽しめると思いますが、刊行順通りに何作か読んでいた方が断然楽しめると思います。

あと、今作の語り手は僕という全くの新顔なので榎木津一味と顔を合わせる毎に少なからず驚いているのが良いですねｗ
そして、それらのキャラを下僕と言い放つ榎木津は相変わらずですねｗ
以下、１編毎の感想です。

　「鳴釜」

それだけに勧善懲悪を御旗に暴れる榎木津に爽快感がありましたし、京極堂も絡んだ仕掛けとラストの解決は鮮やかですね。
探偵助手の益田は知らないキャラでしたが「魍魎～」に登場していた鳥口の再登場は嬉しかったですねｗ

　「瓶長」
壷屋敷をめぐる争いに巻き込まれるという話ですが、このシリーズで骨董に関する事件というのは非常に新鮮でした。
その繋がりで骨董屋待古庵の今川が登場していますが、またも知らないキャラでしたｗ
あと、私が思うにこのシリーズ１の真人間・木場が登場し、鋭い突込みを入れてくれていたのは最高でしたｗ
「鳴釜」と比べて陰惨さは薄めで、榎木津の父親の影が見え隠れするなど全体的に雰囲気は明るいですね。
目玉は終盤に大暴れする榎木津でしょうかｗ

　「山颪」
待望の関口君が登場し、相変わらずの挙動不審ぶりを披露してくれていますｗｗ
更に「狂骨～」に登場した伊佐間まで登場と豪華でした。

事件としても綺麗にまとまっていますし、今作で最もお気に入りの作品です。

１話２５０ページ位と相変わらずの京極作品ですが、これで章分けは長編と同じ様な感じなのですよねｗ
そういう意味で読み易かったですし、登場キャラも榎木津にあてられたのか長編作品よりも明るい気がしますｗ
印象的に配役が各編で少し変わりますが、解決の流れ的に「巷説」シリーズと似た感じを受けました。

ともかく、引き続いて続編の「百器徒然袋ー風」も読んでみようと思います♪

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう