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天皇暗殺を企てた首謀者として明治44年、幸徳秋水ら11名とともに死刑に処せられた菅野須賀子。革命の情熱と恋の炎に命の火を燃焼しつくした彼女。その数奇な生い立ち、奔放な恋愛遍歴と、主義に殉じた短い生涯を処刑前一昼夜の意識の流れのなかに走馬灯のように浮かび上がらせて大逆事件の真実に迫るとともに自己の希求に生きた女性の栄光と悲劇を描く長編伝奇小説。
大逆事件・・。
幸徳秋水・・。
歴史の時間に聞いたことがあるけど、何だっけ?
確か誰かが死刑になったんじゃなかったけ?
2・26に似たようなモンだったかなぁ。
くらいの知識しかありませんでした。
この本は大逆事件で死刑を受けたただ一人の女性、
菅野スガ
の死刑前の回想という形で書かれた伝記です。
回想なのでほとんど一人称で書かれていて
その上話があちこち飛びます。
事件とその背景の概略が数々の関係を持った男たち
と一緒に語られる・・・というより男たちを思い出すついでに主義やら
活動やらを思い出すって感じ。
瀬戸内晴美の好きそうなドラマチックな題材
なのですが。
菅野さんってこんな人。
・ ・・・。
文章中にもあるけれど、これがまた 美人じゃない
のよねぇ。
なのにもてる。 もてまくる。
ドイツもコイツも 狙ったらすぐ落ちる。
そして結婚しようと追いかけまくる。
こういう人っているのねぇ。
ブザイクでももてて仕方ないって人が。
フェロモン??
大まかには荒畑寒村(後の社会党創立者)と大恋愛の後
結婚した(内縁?)にもかかわらず、1年もしないで
関係が悪化して寒村が入獄中に親切にしてもらった
幸徳秋水にヨロメイて、出獄待たずに内縁の妻宣言をしてしまったのを
寒村が激怒して・・というロマンス?が軸になっていますが。
寒村
秋水
文章中にもあるけど、 外観的な魅力などまるでない
秋水の何が良かったのか?
才能・思想?
そんな崇高なものよりただ単にアンタ、男なしじゃいられないから
身近にいた男によろめいたんじゃ??
と思ってしまうような妖婦のような書かれ方をしてます。
う~ん。
生い立ちは凄惨だったようですが
そのせいかどうか、きっと誰かとつながっていたい、
自分だけ特別な存在と思われていたいという欲求が
人一倍強い人だったのじゃないかな?
それでたまたま周にいた社会主義者たちに
惹かれたもののこれがすぐ逮捕されたり投獄されたりで
自分のそばにいてくれなくなるから
次々身近にいるほかの社会主義仲間に乗り換えたって
言う気がするなぁ。
きっと、主義やら思想やらってこの本に書かれているみたいに
信じてたわけじゃなくてそういえば男たち(同志)が
喜ぶから過激なことを言っていたってある意味ちょっと
オツムの足りない女性像がうかぶんですけど。
ワタシだけ?
最後のほうに同じくこの事件で死刑になった
古河力作の処刑の日1日の回想やら感想やらがつづられた
短編 “いってまいりますさようなら”
は
この事件を違った立場から違った思いで綴られています。
これによると大逆事件は 成り行き
で計画されたものの
皆イマイチやる気をなくしていたところだったけど引っ込みがつかないで
いるうちに検挙されてしまったような
大変人間くさい、青臭い
現実ってこんなもんだよね
、って感じの
打ち明け話のようで興味深かったです。
菅野須賀子のほうは色恋を中心にあまりに情熱的に
大逆事件を語っているのに比べこちらのほうは
一歩引いたところで全体を見渡すような
見通しのよさを感じました。
水上勉が「古河力作の生涯」という本を書いているようなので
こっちも機会があったら読んでみたいと思います。
ところで荒畑寒村と共産党、社会党の結成などにも
興味が出てきましたので今度荒畑寒村が主役の本も
読んでみようと思います。
題材は興味深いんだけど、あちこち話が飛ぶので
なかなか話しに入り込めず読むのにものすごく時間がかかりました。。。
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