私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年05月25日
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カテゴリ: 千の朝


 サム・ジャムスンが
 阪神大震災の現場で「ここが違う」と指摘した。

 通信は途絶し、警察機能も失われた混乱の中で
 「山口組が彼らのアジトの前で
 炊き出しをして被災民に配っていた」と。

 こういう状況で
 よその国の人々の行動は決まっている。

 例えばアフガンだ。


 民に高いモラルを求めた。

 それに背いて✖✖をしたら死罪、
 泥棒したら左手首と右足首を切り落とした。

 9・11のあと米国がタリバンを崩壊させると、
 今まで家の奥に引っ込んでいた人々は
 笑顔を取り戻して
 政府施設から商店街まで好きに略奪した。

 米軍はそれを温かく見守った。

 クリントンの主宰するWTO閣僚会議が
 シアトルで開かれた折、
 数万のNGOが抗議に詰めかけた。


 市内の警備が手薄になると、
 NGOメンバーは商店街を軒並み略奪した。

 「折があれば略奪する」は
 アフガン人も米国人も共通した認識だ。

 だから震災という略奪の好機を

 米国人サム・ジェムスンには
 信じられなかったのだ。

 戦争は略奪を国家規模にしたものだ。

 イスラムは戦争を認め、
 ただし略奪品の分配だけは公正にせよと教える。

 キリスト教も同じ。

 北清事変の折、
 日本軍の奮闘で北京が平静を取り戻したあと
 ドイツ軍司令官ワルデルゼーは
 「三日間に限って兵士に略奪を認めた」と
 独皇帝ウイルヘルムⅡ世に書き送っている。

 無制限でなく三日間に区切ったことが
 文明人の証しだと思っている。

 サダム・フセインを倒した「イラクの自由」作戦は
 約三週間で終わった。

 無警察状態のバグダッドでは
 「数千の市民が国立博物館に押し入り
 シュメールの文化財など数千点を奪った」と
 ニューヨーク・タイムズが報じた。

 正確に言うと略奪したのは市民のほかに
 戦争勝利者である米兵と米ジャーナリストも含まれ、
 盗品の大方は彼らが持ち帰った
 米国の幾つかの空港で回収されている。

 マレー上陸作戦の朝、
 山下奉文司令官は「軍風紀を緊粛し
 『焼くな、奪うな、犯すな』を厳守すべし。
 従わざる者は処断し、
 上官もその責任を問う」と訓示した。

 よその国ならこれだけで兵士が暴動を起こす。

「サンデルよ「正義」を教えよう」 高山正之 新潮社

*文中の✖✖は、レイプの日本語ですが、NGワードのため変更しました。





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最終更新日  2017年06月05日 07時12分45秒
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