地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2006.10.14
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地球人スピリット・ジャーナル 2.0 につづく



「カーニヴァル化する社会」



 この書、2005年において29才の青年によって書かれたものである。何才をもって青年というか、何をもって青年の特質とするかは、あらためて検討しなくてはならないけれど、私は、青年が書いた本ではあるけれども、その書き手が青年であるということを意識しないで読むことができた。

 なぜか、を考えてみると、まず著者に「私は若者」である、という、てらいや甘えが見られないこと。これはとても重要なことだと思った。往々にして、「私たち若者は」とか「とかく若者は」という形で、年令を一区切りにして、世代的に片付けてしまいたくなるのだが、著者の視点はかならずしも、そのような安易な方法をとらない。

 そのテーマは、確実に、青年層を中心とする社会的風俗にヒントを得ながらも、けっしてそれをカテゴライズすることに急がず、ゆっくり事実を直視し、じっくり眺める余裕を感じさせる。その視点は、青年というよりはむしろ冷徹な科学者の目だ。青年でありながら科学者の目であるということと、科学者でありながら青年であるという、ふたつの感覚が、この本のテーマをモノトーンなものにせず、深みがあり味わいのあるものとしている。

 ケータイやSNSなどを多く語りながら、この本がテーマとしている対象の変化は日々著しいものがある。固定的な定点観測をやるのではなく、いっしょにその流れと漂いつつ、位置としては変化しつづける視点からではあるが、その視力、その方法論には、大きな信頼を寄せることができる感じがした。

 この本で扱われているテーマは、近年、社会学を中心として多くの人々に研究されているところなので、別に目新しいものではないが、そのテーマを見つめるまなざしには、なんともいえない心地よい新鮮なものを感じることができた。これこそ、若々しい青年の証左と言えるだろう。





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Last updated  2009.03.29 11:53:55
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