「金色の虎」
宮内勝典 2002/11 講談社 初出「群像」1992/7~1996/3小説「奇妙な聖地」として連載
しかし、数少ない「参考文献」に
「BHAGWAN:The God That Failed」
や
「The Ultimate Game」
を入れている
ところを見れば、この小説がどの個人・団体を揶揄し誹謗して書かれているかはおのずと判断できる。私はこの本2冊を87年に英文で入手している。書かれている内容については大体わかる。しかも、その内容の質は、時代とともに明瞭になっており、この本に依拠しなくては小説をかけなかった宮内の「才能」を危ぶむ。
この小説の存在は、95年当時から知っていた。そして宮内という名前についても、この小説ゆえに私の記憶に止まった。しかし、当時の彼のあまりの頓珍漢な発言の連続に、目を覆いたくなった。批判は批判として、まともに受けなくてはならない。またそれだけの度量があってこそ、互いの人間性が磨かれることもあると思う。しかし、当時においては、彼のあまりの事実誤認の多さに、論評するのも控えたくなる思いのほうが強かった。
この本を一冊の本として出すにあたって、タイトルを「奇妙な聖地」から「金色の虎」にあらためたという。そして、「その後、全面的に改稿しました。」とのことである。まぁ、そうであるべきだろう。だから、フィクションなのだから、フィクションとして楽しめばいいのだろうが、私はあまり小説を読むほうではない。だから、あまり縁を感じなければ読まなければいいのであって、無視していればいいじゃないか。たしかにそうだ。
宮内には、タイトルとしては「金色の象」という小説もあるらしい。どこかに低通したテーマを持たせているのだろうか。あるいは「ぼくは始祖鳥になりたい 上・下」という小説もある。宮 内は
高橋英利との対談
で
、この小説をぜひ読んでほしい、と言っている。だから、これらの本を全体的に読み進めなければ、トータルな評価はできないが、少なくとも現在の私には、うやうやしく宮内ワールドを探検する気にはなれない。せいぜい手にとって眺めているだけである。
<2>につづく
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