「若者を喰い物にし続ける社会」
立木信 2007/06 洋泉社 新書 250p
★★★☆☆
私が結婚したのは20代の末。周囲を見てもこの時期に結婚したカップルが多い。まぁ私の場合はそのような「ブーム」にまぎれて結婚してしまったことがよかったかどうかなんて、わからない。いやいや失言、これほど幸せな人生を送ってきたのだから、うちの奥さんには感謝しております、平に平にm( _ _ )m。もともと独身主義だった私がめぐり合って、自分のポリシーを大きく曲げたのだから、素晴らしい方であることはまちがいありません。
しかし、もし私が一生独身で通すことになったとしても、それはそれで、自分の人生だから、きっと納得したことだろうと思う。またもし結婚しても子供たちに恵まれるかどうかなんてことは、わからない。現在のように、子供達も成人して子育てが終わってしまうと、それはそれは子供のいなかった人生なんぞ考えることもできないのだが・・・・。さて、それとて、そうなったからそう理解しているだけで、もし子供達のいない人生が待ち構えていたとしても、私なりにその状況を受け入れたことだろう。
私の身の回りをみると、いわゆる独身貴族やおひとり様たちは俄然多い。それはなんでなのか、ずーっと不思議には思ってきた。「なぜ」かは、ある程度わかっている。わかっているが、実態に直面するにつけても、「なんだかな~」と自問自答することが増えてきた。
この20年間ほど、外回りしていると、「誰かいい人いないですか~」という親の声を何度も繰り返し聞いてきた。子供の伴侶を求めている「親」は限りなくいる。それで、私も親切心を起こして、何度も「仲人」らしきことをしてきた。最初の数年は、本当に面白いほどぴったりはまって、数組ゴールインしたのだから、たいしたものだ。「3組の仲人をしないと世間にご恩返しをしたことにならない」という教訓があるとすれば、私達夫婦は、まずはとりあえず「世間様にご恩返し」はできたことになる。
ところが、調子に乗って、その作業をずっとやってきたのだが、実は、この15年以上、完全にスコンク状態だ。努力はした。本人達も本気だ。だけど決まらない。いまでも要求はある。だけど、私達夫婦は、この春、もうこの作業からは完全に降りましょうということで、合意に至った。現代の若者たちのことを理解するのはなかなか難しい。ほんとうのことはわからない。
この本はその若者を理解するにはよい本だ。引用したいところはいろいろあるが一箇所だけ、転記しておく。
ここまで書いたが、まだ反若者本への憤りは収まらない。「ケータイを持ったサル」についてネット書店アマゾンの書評の一部を紹介しよう。反若者本は、ネットの書評で総攻撃されることが多いが、この本もその典型だ。
「猿に戻ったのか、などと頷いている人は、半分以上は若者にだまされている」「ITとコミュケーションに関する若者の輪には誤解、あるいは意図的な曲解があるので注意したい」「若者の行動を非難した本や記事はこれまでいくつも出されてきた。が、いままで私が読んできたものの中でも『最低』の烙印を押したいと思う」「『オヤジの嘆き』といったよくある内容のものだ」「専業主婦を露骨に否定しているように感じた」
これらの若者の気持ちを代弁しているかのようだ。
p193
私も以 前
「ケータイを持ったサル」
、
「他人を許せないサル」
を読
んでいる。私は若者ではない。「ケータイを持ったサル」の著者と同年代で学年はさらに一つ上だ。まちがいなく「オヤジ」ではあるが、こんな本は許せない。「いままで私が読んできたものの中でも『最低』の烙印を押したいと思う」という評価に諸手を上げて賛成する。私自身の表現としては「わが新書本マンダラの中に加えたくもない一冊。私が手に取ることの限界域にある本である。」となる。
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