地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.10.26
XML
カテゴリ: レムリア
前回よりつづく


「〈スピリチュアル〉はなぜ流行るのか」 <再読> 磯村健太郎 2007/03 PHP研究所 新書 206p

 例によって、前回は立ち読み、今回は図書館から借りて寝転がって読むという<再読>モード。前回の自分の書き込みを見ると、まぁ、第一印象は間違ってはいないが、こまかいところを引用したりできていないので、感想としてはまずまず書き留めているが、記録としては不完全なところが多い。図書館になければ、このまま立ち読みで終わっても構わないけれど、じっくり読めるなら、やはり借りてきたくなる一冊ということになる。

 再読して、まず気づいたことは、伊藤雅之の
「現代社会とスピリチュアリティ」 が、たびたび引用されていることだ。この本については、このブログでも取り上げようと、ウェイティング・リストに載ってはいるのだが、なかなか急転直下で、この本までたどり着くことができなかった。というより、この本を取り上げるのは、ちょっと気が重い、という感じがしていたことは否めない。

 2003/03発行だからすでに4年半前の本になるが、出版当時、著者から新刊本を贈呈してもらい、人よりさきがけて読むことができた。また、その本の成り立ちにおいて、ささやかながら調査にも協力することができた。だから、その本そのものについては思い入れが大きいが、それを自分なりに味読するには、一定程度の時間がかかっている、ということになる。今回、磯村が伊藤本をとりあげたのを知って、近いうちに、こちらも<再読>してみようと思っている。

英語には次のような表現がある。
 "I'm not relligious, but spritual."
宗教的ではないが、スピリチュアル------。特定の「宗教」は信じていないがスピリチュアルなものは信じる、という意味だ。しかし、スピリチュアルとはなんだろう。
 なんとなくわかるようだ、よくわからない。精神的とか霊的とか訳しても、どうもうまくいかない。だからカタカナのままで使われているのが現状だ。
 p23

 私
初読 時にこの点に触れていたし、 諸富祥彦 の本を読んだときも、そのようなタイトルでエントリーを書いている。この単語はさまざまな形で使われているが、私は ケン・ウィルバー 自分の本の文脈のなかで使うときが、一番安心して、この単語を読んでいるようだ。磯村は、特定の「宗教」は信じていないがスピリチュアルなものは信じる、と訳しているが、スピリチュアルと、スピリチュアルなものを信じる、ではちょっとニュアンスが違う。宗教を信じる、では宗教と自分は、二つの別個なものだが、私はスピリチュアル、という時、スピリチュアルと私は別個なものではない。自分自身に対する形容詞なのだ。信じているわけではなくて、つまり「感受性がつよい」というようなニュアンスで使われているのではないか、と思う。ただ、そうとうにこの言葉の幅があるのは確かだ。

全国各地でひらかれている
「スピリチュアル・コンベンション」 というイベントがある。ら略して、「すぴこん」。うたい文句は「癒しとスピリチュアルの見本市」だ。フロアーいっぱにならべられた机やブースを使って、何百もの個人・グループが店を出している。  p57

 全国展開している「すぴこん」。私も行ってみたこともある。代表の小泉義仁とも話したことがある。っていうか、彼を某SNSに招待したのは私だった(汗。このようなイベントがこれだけの規模で展開している、ということ自体、びっくりすることだけど、さて、その空間が私にとって、心地よいか、というと、う~~ん、決してそうとはいえない。あのさまざまな<スピリチュアル>が乱舞している空間は、私にとっては、決してスピリチュアルとはいえない、という感じだった。

無題2.JPG

ニューエイジにくわしい著述の伯宮幸明さん(44)は、スピリチュアル文化と他の領域とのかかわりを図1のようにイメージしてみせる。あくまでも一例なのだが、これを使うといろいろ説明しやすい。たとえば、スピリチュアル文化が「健康」と重なるところには心理療法やボディセラピーといった「癒し」の系譜や気功などが入る。三つの輪の重なりには、有機農業のなかでも、「食べ物のいのちをいただく」という思想を合わせもつものが含まれるだろう。 p70

 いろいろな
三位一体モデル があるものだが、私個人のモデルからすると、かなり一方向に偏っているなぁ、という印象。伯宮幸明 「天上のシンフォニー」 というスピリチュアル・アドベンチャー・ノベルも読んで、たしか、このブログでも印象を書いていたと思っていたが、自分でも探せなくなっているクール。小説が苦手な私だけれど、近いうちまた、再読してみようと思う。

SPS にパネラーとして参加してもらった「自然農」実践家・川口由一さんも写真p146つきで取り上げられている。そのほか、興味深い記事はたくさんあり、いわゆる「若者文化」的取り上げ方としては、資料性もあり、「記者」としての視点も決して間違ってるいるとはいえないだろう。だが、どうしても最後の最後まで、納得感がないのはなぜなのだろう。著者はあとがきで書いている。

わたしは信仰のあつい父のもとで育った。そのため高校を卒業するまでごく自然に、信心らしきものを宿していた。ところが進学して一人暮らしを始めたとたん、それは急速に薄れていった。おそらく、こころの深いところに根付いていなかったのだろう。ただ、そんな体験があったからこそ、信仰者の心象も、多くの人が抱く組織宗教への違和感もわかる気がする。この本で書いたのは、わたし自身が知りたかったことだった。信仰者にとってあまりここちよくないはずの内容となったが、父は本書の意義を理解してくれた。感謝している。 p200

 「わたし自身が知りたかったこと」を書き留める個人的スタディとしてなら、きちんと現代日本のスピリチュアルな「流行」について、よくまとまっている誠実な一冊と言えるのだろう。しかし、ひとりひとりの魂の飢えを満たす方向性を見つけようとするなら、人はこの本では満足できない。なんであれ、人は自分自身とエンカウンターしなくてはならない。著者に次作がでるなら、ぜひ読みたい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.02.13 21:28:19
コメント(0) | コメントを書く
[レムリア] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

Bhavesh

Bhavesh

Archives

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2025.03
2025.02

Comments

聖書預言@ Re:60日記037 アリバイ 生存証明(07/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
BHavesh@ Re[1]:アガルタの凱旋(12/15) subaru2012さんへ ああ、久しぶりにこの…
subaru2012@ Re:アガルタの凱旋(12/15) Miles Davis / Agharta 1 <small> <a hre…
Bhavesh @ Re:禅と戦争 禅仏教は戦争に協力したか(11/16) 現在、日曜早朝座禅会に参加している禅寺…
Bhavesh @ Re:セックスから超意識へ<1>(11/13) Oshoの記念碑的1968年のレクチャー。当時…
把不住y@ Re:編集雑記(07/25) 新ブログはここです。 <small> <a href="…
Bhavesh@ Re:グルジェフ・ワーク 生涯と思想(01/12) 武邑光裕、の名前を検索していて我が読書…
abhi@ Re:編集雑記(07/25) お疲れ様。 新ブログ立ち上げたら教えてく…
Bhavesh@ Re:極秘捜査 警察・自衛隊の「対オウム事件ファイル」(03/03) 私は、最近になって 、そう2015年頃になっ…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: