地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.10.30
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「娘と話す国家のしくみってなに?」 レジス・ドブレ /藤田真利子 2002/07 現代企画室 単行本 117p
No.851
★★★★★

シリーズ の中の 「娘と話す 宗教ってなに?」 は13 歳の娘と話す、という設定だが、こちらは著者も違い、18歳の娘と話す、という設定だ。しかも、その国家はフランス。アメリカとの比較において語られる。

 中学校の図書事務を担当しているつれあいに、このような本を学校の図書館にいれたら、とアドバイスした。しかし、返答は不評で、この手の本を子ども達は読まない、ということだ。どこが不人気なのだろう。すでに「娘と話す」というタイトルの段階で、もうオジサン向けの本ということになってしまうのだろうか。オジサンとしては、いちいち考えることも面倒くさいし、話すことも苦手なので、いっそのこと、このような本を読んで一気に賢くなってもらいたいものだ、と思わないわけではない。

 子ども達がすすんでこの本を読まないなら、しかたない、自分でこの本の知識を身に付けて、たまには子どもと議論でもやるか、というオジさん達は、この本を読んで、どんな感想をもつだろう。この本の意見をそのまま自分のものとできる人はすくないだろう。薄く、簡単に、シンプルに書かれてはいるが、その奥は深い。ひとつひとつ考えながら読んでいくと、結構時間が経ってしまう。それなりに、自分なりの考え方に直面する、ということになるだろう。

 出版する側としては、それが狙い目なのだろう。この本のターゲットはオジさんたちだ。この本のテーマとなっているのは、共和国としてのフランス、そして、フランスの内情。国家と市民という構図は、<帝国>とマルチチュードの対置をおっかけているこのブログとしては、すこしバックギアを入れられたような感じがして、体感ショックがある。

 しかし、著者のドブレも若き日には、60年代にゲバラを支援しようとしてボリビアまで行った人物であるという。ルネッサンス、フランス革命、パリの五月、そしてEC統合のプロセスを語りながら、かなりラジカルな部分を知りながらも、結構「オジさん」している。

----「自由、平等、友愛」これが区役所の扉の上に掲げられてるのは見栄えがいいわ。でも、内容のない言葉でみんなをだましていると思わない? とくに女性を。
 「それにたいしては二通りの態度がとれる。「ご立派な原則だけど、こんなのうそだから、ゴミ箱にすてちゃおうよ」ということもできる。あるいは、自分でそれを実現しようと決めて、実行もしないでいいことばかり言っている連中にそれを突きつけてやることもできる。共和国を文字どおりに受けとる。それは革新的ではないかもしれないが、ずっと建設的だ。
 1945年以前、選挙は1848年からづっと男性だけのものだったという事実があるからといって、普通選挙は神話にすぎないとフェミニストたちがあきらめるべきだったと思うかい? 望めば、共和国の理想の中にすべてが与えられている。だが、なにもかにも一度に実現することはない。資産を持つものにしか許されなかった自由が労働組合の手にの渡り、公務員も平等にスト権を持てるようになり、キリスト教徒の友愛から福祉国家の友愛となるまでには、150年の年月と四つの共和制が必要だった。そして、成人年令が25歳から21歳、そしてとうとう18歳になるまでには180年かかったんだ」
p93

 こうなると、オジさんも必死だな。「自由、平等、友愛」は、ある種の陰謀論者たちには、常に槍玉に挙げられている。この三位一体モデルは、実現不能だという。この標語がフランスでは区役所の扉の上に掲げられているとは、さすがにフランス。しかし、それもまた有名無実化している、というのも、なんとも、物悲しい「現実」だ。

 この本で語られている国家と市民という構図、そして<帝国>とマルチチュードという対置。それに対して、このブログでは、地球と人間の関係をおっかけている。地球の上に、二本の足で立ち、二本の腕で他の人々と輪を作る人間。あるいは、座り、ハラで大地とつながり目を閉じて瞑想する。

 この本のシリーズは、まだまだあり、一冊一冊、意味合いが微妙に違う。娘達はどうか知らないが、オジさんたちが読む分には、なかなか面白いシリーズだと思う。ネタ本向きか。





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Last updated  2009.02.11 19:43:20
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