地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2008.10.08
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カテゴリ: 環境心理学

<2>よりつづく

「チベット密教の神秘」  <3>快楽の空・智慧の海
正木晃 /立川武蔵 1997/03 学習研究社 全集・双書 135p

ざっと目を通したところ、あちこちメモしておきたいところがあったので、以下ランダムに書きだしておく。

 1959年のチベット動乱の結果、故郷を脱出し亡命生活を余儀なくされたチベット人たちが、その悲劇を逆手にとって、チベット密教が世界に広まる絶好の機会に転じてしまった歴史がある。だが、それだけではない。チベット密教こそ、世界史上、最も完成度の高い神秘主義であり、その理論も、その実践方法も、比類なき水準に達していることが、今日の隆盛をもたらした最大の理由なのである。 p25

 ここでは「最も完成度の高い神秘主義であり、その理論も、その実践方法も、比類なき水準に達している」1997と持ち上げているが、同じ正木晃は 「増補チベット密教」 2000、2008では、ややトーンダウンの表現をしている。

これまでチベット密教に対しては、相反する二つの見解が存在した。一つはチベット密教は堕落した仏教であるという否定の見解。もう一つは、チベット密教は最高の宗教的叡智であり、人類が直面している難問の多くを解決する力をもつという礼賛の見解である。私たちにいわせれば、これらの二つの見解は両方とも極端にすぎる。 「増補チベット密教」 p010

 かといって、衆目が、熱い期待観を持って、チベット密教の動向に深く注目していることには変わりはない。

 サキャ派の「サキャ」とは、世界の最高峰チョモランマ(エヴェレスト)の北方に位置する高原の一角にある地名である。チベットにしては珍しく、かなり豊穣な土地だ。 p29

 そういえば、チベット密教の中興の祖とされるツォンカパの意味も、玉ねぎ畑のおじさん、という程度の意味だった。

 なにゆえに、密教はあまりに極端ともみえる方向を選択したのだろうか。その解答を考えるとき非常に重要な事実がある。こうした方向は、なにも仏教に限らなかったという点だ。ほぼ同じ時期、仏教と敵対し抗争を続けていたヒンドゥー教も、同じ選択をしていた。そして、厳しい禁欲を特徴とするジャイナ教もまた、この方向に向いていた。
 欧米の学会では、性的ヨーガの実践を主張する聖典を「タントラ」、タントラを至高の教説とみなす宗教形態への移行を「タントラ化」と称してきた。ちなみに、タントラ仏教と密教は同義である。
p58

 いずれジャイナ・タントラも追いかけてみたい。いろいろな文献をあさっていると、使用されている用語に乱れがあるので、初学者としてはうろうろさまよってしまうことになるのだが、ここで正木晃に「タントラ仏教と密教は同義である」と断言してもらうとありがたい。

 しかしよくよく考えてみると、「タントラ仏教」=「タントラ密教」という意味なのか、あるいは「タントラ仏教」=「(日本なども含む)密教」なのか、またまた悩んでしまうことに・・・。

イダムとは、主尊として尊崇すべきホトケというけにとどまらない。ある個人ないし宗派にとっての「守護神」でもあって、チベット密教にしか見いだせない独特の宗教的存在といっていい。 p62

 イダムとは、前回の書き込みで何度もでてきたので、ここで守護神のこと、と明記しておく必要がある。

 「カーラチャクラ・タントラ」がインド仏教史の最後を飾る壮大な体系を有していることは疑いない。天文学・宇宙論・身体論・音韻論をはじめ、当時としては最高レヴェルの「科学」が網羅されて、ブッダの教説との統合がはかられている。 p93

 「カーラチャクラ」については、 「ダライ・ラマの密教入門」 などからアプローチ中であるが、いまいちまだよくわからない。

 コンカルドルジェデンはサキャ派に属するが、サキャ派の人々にとってもっとも重要な秘密仏はヘーヴァジュラである。この尊格は一般に十六臂(じゅうろっぴ)で、それぞれの手にカパーラをもつすがたで表現される。コンカルドジェデンのイダム堂の北壁の正面には十六臂のヘーヴァジュラが描かれている。 p106

 教義や技法、行法、マンダラや神格、寺院などについては、当ブログの今後の宿題として残っている。






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Last updated  2008.10.08 09:45:42
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