「チベット・曼荼羅の世界」
その芸術・宗教・生活
東北大学西蔵学術登山隊人文班報告 1989/02 301p 小学館 、
小学館ライブラリー版
1995年06月 389p
★★★★☆
色川大吉、山折哲夫、奥山直司、といった面々が書いている。色川には 「わが聖地放浪」 1994/12を読んでいたので、最初から親近感を持った。
1986年4月~6月、実際に東北大学の日中友好チベット学術登山隊に参加し、人文班を組織して現地に行き、中国の統治ぶりとチベット人民の現状に触れることによって、はじめて目を開かれた。私は自分の調査報告に、この目で見たチベットの状況と人々の苦悩を書きこまないわけにはゆくまい。私は二年後にラサ再訪を果たしたが、1986年(発生前年)の見聞は、一回きりのチベットの現実として記録される価値があると思う。 p11
この時のチームのが学術報告集がこの本だ。
事件の真相やその犠牲者の数は、まだ情報が入り乱れていて確定できる段階ではない。しかし、こうした騒乱の原因は、すべて1986年のチベットの現実の中にあたはずである。私たち人文班がそれにまったく気づかなかったとしたら、自分科学者としての目を疑われるであろうし、それに気づいていて沈黙していたら、近代史家としての名が泣くだろう。 p12
この時代はまだ日本の社会がチベット問題にほとんど気づいていなかった。神秘は神秘のまま、解明しようという動きは大勢ではなかった。
気づいてみれば、この本もヘールカのヤブユム仏が表紙になっている。
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