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広島カープが小園海斗、矢野雅哉、前川誠太、田村俊介の4選手に戦力外通告を行いました。球団は「ゾンビたばこ」を巡る疑惑について、違法薬物や反社会的勢力との関係を認定したわけではありません。それでも主力の小園まで来季構想から外れた背景には、成績とは別の「信頼関係」を巡る問題があったとみられています。
広島は10月1日、小園海斗内野手(26)、矢野雅哉内野手(27)、前川誠太内野手(23)、田村俊介外野手(23)の4選手と来季の契約を結ばないことを発表しました。
小園と矢野は1軍の中心選手として実績を残しており、前川と田村も球団が将来性を高く評価していた若手です。単純な成績不振による戦力整理とは考えにくい顔ぶれでした。
発端となったのは、元広島の羽月隆太郎氏が、通称「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物を使用したとして逮捕され、契約解除となった問題です。その後、羽月氏に薬物を譲渡したなどとして逮捕・起訴された会社役員と、小園、矢野、田村が一緒に写った写真が報じられました。
矢野は無期限で3軍に降格し、さらに矢野と前川が広島県警の家宅捜索を受けたことを球団が発表。前川も同日に1軍登録を抹消されました。
ただし、球団は一連の疑惑について、違法薬物や反社会的勢力との関係を認定したわけではなく、「シロかクロかで言えば、シロ」との趣旨の説明もしています。
4人の中でも特に驚きを持って受け止められたのが、小園の戦力外でした。一連の報道が出た後もスタメン出場を続け、8月中旬にファームへ降格した際も、表向きは守備面の状態が理由とされていました。
そのため、小園は他の選手と比べて「特別扱いされているのではないか」との見方も出ていました。しかし最終的に球団は、小園を含めた4人全員を来季構想から外しました。
背景には、チームを立て直すために、グラウンド上の能力だけではなく、組織としての規律や信頼関係を重視する判断があったと考えられます。
新井貴浩監督はシーズン中に辞任を申し出ていたとも報じられましたが、球団の慰留を受けて続投。来季も指揮を執ることになりました。低迷するチームを再建するうえで、球団側も大きな決断を迫られていたとみられます。
今回の判断を読み解くうえで重要なのが、球団が4選手との「信頼関係」に言及している点です。
球団は調査を進める中で「矛盾や疑念を感じることもあった」とし、「信頼関係を築くことは難しかった」との趣旨を説明しています。
つまり、違法行為が確認されたかどうかだけが契約判断の基準ではなかったということです。球団が選手とのやり取りや一連の行動を総合的に判断し、今後も同じ組織で活動していくことが難しいと判断した可能性があります。
特に小園や矢野は、若手を引っ張る立場に近い主力選手でした。前川や田村のような若手選手をチーム内外のトラブルから遠ざける側であることも期待される立場です。
ところが、問題となった人物との飲み会などに一緒に参加していたとされることが、球団側の評価を大きく下げた可能性があります。違法行為への関与とは別に、プロ野球選手としての交友関係や危機管理に厳しい目が向けられたとみられます。
戦力外通告後、小園は報道陣の取材に対応しました。しかし、質問に対して「そうっすね」と繰り返し、今後についても「なんも考えていないです」と答えたことから、SNSなどでは「反省しているように見えない」といった批判も出ました。
戦力外を告げられた直後であり、本人が気持ちを整理できていなかった可能性もあります。一方で、プロ野球選手はファンやスポンサーの支持を受けて活動する立場です。受け答えの印象も、今後の評価に影響する可能性があります。
その後、小園は自身のInstagramで球団関係者、首脳陣、チームメート、ファンに謝罪。違法薬物の使用・所持や反社会的勢力との関係を否定しました。
さらに「私には野球しかありません」としたうえで、失った信用を取り戻すことは困難な道だと認識し、「一人の人間として、そして野球人として、今一度ゼロから自分を見つめ直し、真摯に野球と向き合ってまいります」と今後への決意を示しました。
それでも、他球団が獲得を検討する場合には、選手としての能力だけでなく、ファンやスポンサーがどのように受け止めるかも判断材料になると考えられます。
小園は打撃能力の高い内野手です。昨季は打率.309で自身初の首位打者を獲得し、今年はWBCの侍ジャパンにも選出されました。26歳と年齢的にも、今後の活躍が期待できる選手です。
過去には、グラウンド外の問題で所属球団から処分を受けた後、山川穂高が西武からソフトバンクへFA移籍し、中田翔が日本ハムから巨人へ移籍した例があります。
ただし今回の小園は、FAやトレードではなく、所属球団から来季契約を結ばないと通告された点が大きく異なります。球団が調査を行ったうえで「信頼関係を築くことは難しい」と判断した事実は、獲得を検討する他球団にとっても無視できない材料です。
コンプライアンスが重視される現在のプロスポーツでは、戦力としての能力だけでなく、球団やスポンサーへの影響まで含めて獲得を判断する必要があります。そのため、NPB他球団への移籍は簡単ではないとの見方があります。
小園は以前から将来的なメジャー挑戦への意欲も示していました。ただ、米国球界でも実力面だけでなくグラウンド外の評価が重視されます。打撃では高いバットコントロールを持つ一方、長打力や走力、守備面を含めてメジャーで高く評価されるかは不透明です。
今後はNPBだけでなく、韓国や台湾、メキシコ、国内独立リーグなども現役続行の選択肢になる可能性があります。
今回の戦力外は「ゾンビたばこ疑惑がクロだったから」という単純な話ではありません。違法行為への関与とは別に、球団との信頼関係や交友関係への認識、プロ選手としての行動などが総合的に判断されたことが大きなポイントです。
広島にとっても、主力と期待の若手4人を同時に失う影響は小さくありません。それでも球団は、低迷するチームを立て直し、ファンからの信頼を取り戻すために大きな決断を下しました。来季、新井監督のもとでチームがどのように生まれ変わるのか、そして小園ら4選手が再び野球選手として道を切り開けるのかが注目されます。
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