音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年09月28日
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テーマ: 洋楽(3567)
偶然、実生活や実体験と交差したときに生まれる「個人的名曲」


 「マイ・名曲」というのは誰にでもあるものかもしれないと思う。けれども、そう簡単に出会うものでもない。何かの拍子に、実生活や実体験とその曲(あるいはアルバム)が偶然に交差したときにだけ、そのようなものが生まれるのだと感じる。

 わかりやすい例を挙げれば、ラブラブの彼女といて楽しい思い出を作っている最中に、偶然、耳にして、なおかつ耳から離れなくなったような曲。あるいは、彼氏にふられ恋破れて泣いているときにたまたまラジオで耳にして悲しみを和らげてくれた名バラード、などといった具合だ。もちろん、筆者のこの数十年間にもそういう曲やアルバムがいくつかある。そのうち、比較的最近の1曲が、このニルス・ロフグレン(Nils Lofgren)の「ライフ」である。

 この曲が収録されたアルバム 『ダメージド・グッズ』 (1995年)は、通勤途中の車内でよく耳にしていた。その当時の職場は外国籍の人も多く、出入りがわりに激しかった。数年後には、日本国内の別の町どころか、世界の別々の町で暮らすことになって、二度とめぐり合えなくなるかもしれない人たちである。人生とはそんな出会いの連続なのかもしれない、と思いつつ、やがて、自分自身もその職場を去る予定になっていた。そんな時に、偶然、この曲が個人的体験と交差し、重なってきた。

 「人生とは」をテーマにしながら、最後は「ジェッドはサンタ・バーバラにいると知っている/サリーはバンドと一緒にシカゴにいる/リチャードはロスにいて、俺は元気だ/俺は何も知らないのかもしれない/俺が知っているのは君だけだ…」と身近な話題(?)で終わる短い曲だ。人生の孤独感を滲ませながら搾り出すような声で歌うヴォーカル、哀愁に満ちたギター(ニルス・ロフグレンはヴォーカリストでありギタリスト)、曲の合間に入ってくるサックスの音色、これらがたまたまうまくシンクロして、「ライフ」は、個人的思い出の名曲になった。ちなみに、上記のサックスの音色の主は、その頃は全く気にしていなかったのだが、最近になってライナーを見ていて、意外な大物であることにふと気が付いた。ブランフォード・マルサリス(著名なジャズ・サキソフォン奏者で、弟はウィントン・マルサリス。ロック関係ではスティングのアルバムに何度も参加した経験がある人物)だった。


[収録アルバム]
Nils Lofgren / Damaged Goods





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Last updated  2018年12月31日 06時03分23秒
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