音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年12月23日
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クリスマスに聴きたい名曲 ~その2~


 あまりにも定番曲ではあるが、ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)(原題: Happy Xmas (War Is Over))」。正確なクレジットは、1971年のシングル・リリース段階では、John & Yoko, The Plastic Ono Band with the Harlem Community Choir(ジョンとヨーコ、プラスティック・オノ・バンド、ならびにハーレム・コミュニティ合唱隊)と記されていた。ただし、後の再発シングルの際(1980年)には、ジョン・レノン名義とされている。

 この曲を聴くと12月という気分がする。というのも、ジョン・レノンが自称ファンを名乗る人物に自宅前で射殺されたのは1980年12月8日。つまり、12月に入ると1週間ほどでジョンの命日がやってきて、ラジオや街中では彼の代表曲を耳にすることになる。無論、そうした代表曲の一つがこの「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」なわけで、これを耳にすると、ジョンの死を思い出させるとともに、クリスマスシーズンの到来を告げる曲ともなっている。

 エコーが強くかかったヴォーカルとバックの子供たちのコーラスが印象的で、ジョンは"単なるクリスマスソング"ではないクリスマスソングを作りたかったのだと言う。発表されたのは1971年(権利関係の理由で英国では翌年リリース)で、当時のベトナム情勢を考え合わせると典型的な反戦・平和のメッセージである。それをクリスマスソングに織り込んだところが、この曲が息長く聴き継がれていることにつながっているように思う。

 「戦争は終った」というコーラス部分の歌詞は、曲の表題(副題)とされているが、単に戦争が終ったという意味の歌ではない。その後には「もし君が望むなら」と続いており、逆に言えば、"望まなければ戦争は終らない"ということでもある。つまるところ、平和への、戦争のない世界へのアクションを訴えかけるものだ。筆者にとって最も印象深いのは、冒頭の「もうクリスマスだ。/君は何をしたんだい。/また1年が終わり、/新しい年が始まる」という詞。特に2行目の「What have you done?」(セカンド・ヴァースでは「What have we done?(私たちは何をしたのだろう)」と歌われている)の部分である。受身にクリスマスを迎えて年を越すというのではなく、能動的にアクションを起こそうというジョンのメッセージが強く感じられる。

 ちなみに、冒頭のジョンとヨーコそれぞれの囁きは、「ハッピー・クリスマス、キョーコ」、「ハッピー・クリスマス、ジュリアン」というもので、キョーコとジュリアンはヨーコとジョンそれぞれの子(いずれも二人が再婚する前の子ども)の名前。一部歌詞カード(下記のアルバムに付属のもの)では誤って「ヨーコ/ジョン」と記載されているようだが、実際には「キョーコ/ジュリアン」というセリフである。



[収録アルバム]
John Lennon / The John Lennon Collection (1982年、CD版のみ「ハッピー・クリスマス」を所収)
John Lennon / Lennon Legend: The Very Best of John Lennon (1997年、米盤1998年)





参考(前後の記事へのリンク):

クリスマスに聴きたい名曲~その1~
イーグルス「ふたりだけのクリスマス(プリーズ・カム・ホーム・フォー・クリスマス)」


クリスマスに聴きたい名曲~その3~
バンド・エイド「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」


クリスマスに聴きたい名曲~その4~
ワム!「ラスト・クリスマス」





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Last updated  2021年04月11日 13時01分01秒
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