あまりにも定番曲ではあるが、ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)(原題: Happy Xmas (War Is Over))」。正確なクレジットは、1971年のシングル・リリース段階では、John & Yoko, The Plastic Ono Band with the Harlem Community Choir(ジョンとヨーコ、プラスティック・オノ・バンド、ならびにハーレム・コミュニティ合唱隊)と記されていた。ただし、後の再発シングルの際(1980年)には、ジョン・レノン名義とされている。
「戦争は終った」というコーラス部分の歌詞は、曲の表題(副題)とされているが、単に戦争が終ったという意味の歌ではない。その後には「もし君が望むなら」と続いており、逆に言えば、"望まなければ戦争は終らない"ということでもある。つまるところ、平和への、戦争のない世界へのアクションを訴えかけるものだ。筆者にとって最も印象深いのは、冒頭の「もうクリスマスだ。/君は何をしたんだい。/また1年が終わり、/新しい年が始まる」という詞。特に2行目の「What have you done?」(セカンド・ヴァースでは「What have we done?(私たちは何をしたのだろう)」と歌われている)の部分である。受身にクリスマスを迎えて年を越すというのではなく、能動的にアクションを起こそうというジョンのメッセージが強く感じられる。
[収録アルバム] John Lennon / The John Lennon Collection (1982年、CD版のみ「ハッピー・クリスマス」を所収) John Lennon / Lennon Legend: The Very Best of John Lennon (1997年、米盤1998年)