音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年01月16日
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テーマ: 洋楽(3405)
一通り有名曲になじみのある人にお勧め


 ロイ・オービソン(Roy Orbison)は、1936年、米国テキサス生まれのシンガー。1955年にデビューし、とくに1960年から65年にかけては、 「オンリー・ザ・ロンリー」 (本盤1.)、 「イン・ドリームズ」 (同2.)、 「クライング」 (同6.)、 「オー・プリティ・ウーマン」 (同16.)をはじめヒット曲を立て続けにチャートに送り込み、次世代の多くのアーティストからリスペクトを受けることになった。さらに後には、大物アーティストが集った覆面バンド、トラベリング・ウィルベリーズに参加し、 『ヴォリューム・ワン』 の録音にも加わった。

 本作は、ロイ・オービソンがロックの殿堂入りを果たした1987年、”ココナッツ・グルーヴ・セッションズ”と題して行われたライブ録音で、テレビ放送されたものである。ロイ・オービソンは商業的なライブレコーディングを認めないアーティストであったため、本作が唯一のライブ作品である。残念なことに翌88年の末に、心臓発作により52歳で亡くなってしまったため、結果的には、アルバム 『ミステリー・ガール』 と並んで彼の遺作となってしまった。

ブルース・スプリングスティーン 、トム・ウェイツ、 エルヴィス・コステロ 、ジャクソン・ブラウン、J・D・サウザー、ボニー・レイットといった、そうそうたる面々が名を連ねている。彼らのリスペクトぶりを示す例を一つ挙げると、ロイ・オービソンのロックの殿堂入りの際にプレゼンターを務めたブルース・スプリングスティーンは、次のように述べている。「ボブ・ディランのような詞で、フィル・スペクターのような音のレコードを作りたかったのだが、何よりもロイ・オービソンのように歌おうと心がけた」(実際、このスピーチでスプリングスティーンが言及した 『明日なき暴走』 所収の「涙のサンダーロード」という曲には、ロイ・オービソンの名が登場する)。

 映画『プリティ・ウーマン』(1990年)の主題歌としての16.の再ヒット(この曲は、80年代に ヴァン・ヘイレンがカヴァー したヴァージョンもある)や、同じく映画の『ブルーベルベット』(1986年)の挿入曲としての2.などでロイの曲に接したことのある人もいると思うが、上で述べたように、彼を慕うアーティストたちが参集してのライブ演奏であるので、原曲に親しみたい方には、種々あるベスト盤類をおすすめする。本盤は、その上でさらに興味のある向きや、参加アーティストたちに関心のある人に勧められる一枚だと思う。


[収録曲]

1. Only The Lonely
2. In Dreams
3. Dream Baby
4. Leah
5. Move On Down The Line
Crying
7. Mean Woman Blues
8. Running Scared
9. Blue Bayou
10. Candy Man
11. Uptown

13. The Comedians
14. (All I Can Do Is) Dream You
15. It’s Over
16. Oh Pretty Woman

1989年リリース。




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