音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年06月22日
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テーマ: 洋楽(3567)




 ローラ・ブラニガンは1957年生まれ、米国ニューヨーク州出身で、イタリア系とアイルランド系の血をひく女性ヴォーカリスト。1970年代の地道な活動が実り、1979年にアトランティックと契約。その後、1982年にレコード・デビューし、「グローリア」や「セルフ・コントロール」など1980年代前半のヒット曲でよく知られている。1990年代になって一時期は夫の看病などで表舞台から姿を消すが、2000年代に入り音楽界に復帰するも、残念なことに2004年に他界している。

 祖母はオペラ歌手、母はラジオ局専属歌手という“女性ヴォーカル一家”の出身で、ローラ自身の声も天性のものと言えるのかもしれない。彼女の声の特徴と言えば、まずは、4オクターブとも5オクターブとも言われる広音域である。普通の人間の音域は2オクターブ程度と言われるので、凡人の二倍もの音域をカヴァーできる声というわけだ。とはいっても、ただ音域が広いだけの歌手は他にもいる。彼女の声の2つめの特徴は、硬質がかったビブラートにある。加えて、3つ目の特徴―この曲を聴くと特にこの部分が明瞭にわかると思うのだけれど―は、何とも言えないセクシーなハスキー・ヴォイスである。これだけ独自の特徴を同時に兼ね備えた美声はなかなかいない。

 この「オーヴァー・ラヴ」は1987年発表の5枚目のアルバム『タッチ(Touch)』の冒頭を飾る曲である。ローラ・ブラニガンと言えば、元気な明るい歌声を披露するディスコ・サウンド的なイメージを持っている方もいるかもしれない。同アルバムにはダンス・チャートへの復活となる曲も含まれてはいたのだが、基本的には、それまでの作品とは別のプロデューサーを起用し、本人もより深くアルバム作りに関与して、全体として作風を変えている。年齢的にもちょうど30歳になる年で、大人の雰囲気へ変わっていこうという作品だったと位置づけられる。

 バーブラ・ストライサンドがローラの目指すアーティスト像だったと伝えられている。この「オーヴァー・ラヴ」のようにスローなしっとりした曲を歌っているのを聴くと、ローラ・ブラニガンが明るいディスコ・サウンドだけの人でなかったことがわかるんじゃないかと思う。上述のように、ブラニガンはまだ47歳の若さで2004年に亡くなった。脳動脈瘤が原因でロングアイランドの自宅で亡くなったが、夫の癌の看病で医者に不信感を抱いていて、数日前から頭痛を感じながらも医者にかかることを拒んでいたらしい。目標とするバーブラ(現在68歳)のように、まだまだ10年も20年も(あるいはそれ以上の年月にわたって)活躍してほしかっただけに、あまりに早すぎる突然の死が惜しまれる。



[収録アルバム]
Laura Branigan / Touch (1987年)




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Last updated  2010年06月22日 06時48分40秒 コメントを書く


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