サロマンさん

コメントありがとうございます。

ほんとジャケ買いを誘う秀逸なジャケットですね。記事の末尾にジャケット写真(楽天ブックスのリンク)を追加しておきました。

(2012年05月11日 19時35分07秒)

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年01月19日
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テーマ: Jazz(2003)
カテゴリ: ジャズ

ジャケットも超有名な、本領発揮のワン・ホーン盤


 『ザ・コングリゲーション(The Congregation)』は、1928年生まれの米国のテナー奏者ジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)のリーダー作。彼は、長らくヨーロッパ生活を送った後、2008年に80歳で亡くなっている。“小さな巨人(リトル・ジャイアント)”という異名をとるが、小柄ながら強烈なブロウをするところから、こんなニックネームがついた。

 グリフィンは1956~57年にブルーノートに3枚のリーダー・アルバム(『イントロデューシング・ジョニー・グリフィン』、『ア・ブローイング・セッション』、そして本作)を残している。これら3枚は個人的にはいずれも甲乙つけがたいと思うが、おそらく、ブルーノート1500番台であること、見た目(ジャケットワーク)、ワン・ホーンであるということを勘案すると、総合的には本作がいちばん幅広い層に受けがよい。また、個人的にも、グリフィンを聴いてみたいという人には、 『ザ・ケリー・ダンサーズ』 と並んでこれが入りやすいのではないかと思う。ちなみに、上で触れたジャケットのデザインは若き日のアンディ・ウォーホールの作。

 ジョニー・グリフィンのサックスの魅力は、豪快で熱い吹きっぷりにあると言われるけれども、本盤での彼は、とりわけ端正な節回し、さらに楽しく歌うかのような流れるプレイが印象的である。安定したリズム・セクションがこれを支えていることは言うまでもないが、特にベースのポール・チェンバースの安定度が高く、全体的なスイング感をうまく支え維持しているように思う。また、ピアノのソニー・クラーク(リーダー盤の過去記事 (1) および (2) 参照)が随所で個性を発揮しており、ソロの場面だけでなく、グリフィンの“歌”のバックに回っている時も、ピアノ音がいい具合の“跳ね方”をしている。

 アルバム表題曲の1.「ザ・コングリゲーション」はグリフィンのオリジナル曲で、本盤の収録曲中でも上で述べたグリフィンのテナー・サックスが特に体現されている。「ザ・コングリゲーション」というタイトルは“集会”とか“集合”といった語義があるが、ここでは宗教的に教会へ集まってくること(あるいはその人々)を指すらしい。米国の黒人を主体とする音楽要素が、こういう宗教的なバックグラウンドを持つことは、ゴスペルに限らず、広く認められるのかなあと思わされる(“日本人仏教徒”みたいな人間にはわかりづらいけれど)。同じくグリフィン作の4.「メイン・スプリング」も、1.と並んで本盤でのグリフィンらしさ全開の曲。個人的感想としてはこの2曲が本盤のハイライトだと思う。

 その次にいいのが2.「ラテン・クォーター」。この曲はアルト奏者ジョン・ジェンキンス(この人については過去記事 (1) (2) )の作で、ゆったりしながらも歌心溢れるグリフィンのプレイが聴きどころ。とはいえ、この手の曲調のものがずらり5曲並んでいたならば、いくらソニー・クラークのピアノがいいアクセントになっているとはいえ、それはそれで退屈なアルバムになっていただろう。通常はゆっくり演奏される3.「アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー」がテンポを上げて演奏され、アップテンポで一気に聴かせる5.「イッツ・ユー・オア・ノー・ワン」があることで、全体の流れが飽きのこない作りになっている。ちなみに、アナログでは1.と2.がA面、3.~5.がB面。じっくり聴かせるA面と抑揚のついたB面というのも、本アルバムの工夫の一つだったように思う。




[収録曲]

1. The Congregation
2. Latin Quarter
3. I’m Glad There Is You
4. Main Spring
5. It’s You Or No One


[パーソネル・録音]

Johnny Griffin (ts)
Sonny Clarke (p)
Paul Chambers (b)


1957年10月23日録音。

Blue Note 1580





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Last updated  2013年07月09日 06時51分55秒
コメント(4) | コメントを書く


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Re:ジョニー・グリフィン 『ザ・コングリゲーション(The Congregation)』(01/19)  
こんにちは。
懐かしい名前が出てくるのは良いけれど、
自分の年がばれてしまいそうだわ。
Johnny Griffin も
Sonny Clarke も
Paul Chambers も知ってたけど、
Kenny Dennis (ds)だけは知らなかった。
(2011年01月19日 14時57分57秒)

Re[1]:ジョニー・グリフィン 『ザ・コングリゲーション(The Congregation)』(01/19)  
andale  さん
青い森のナリコさん

ケニー・デニスは、確かソニー・ロリンズ(『ソニー・ロリンズ・プレイズ』)やマル・ウォルドロン(盤名思い出せません)に名を連ねていたような気がします。いずれもうろ覚えですので、間違っていたらすみません。

リーダー盤を聴いた経験はないです。いつか機会があれば、聴いてみるといいのかもしれませんが、本盤での存在感はあまり大きくないという印象を個人的には抱いてしまっています。


(2011年01月19日 22時35分05秒)

Re:ジョニー・グリフィン 『ザ・コングリゲーション(The Congregation)』(01/19)  
サロマン  さん
モンク経由でグリフィンに興味を持ち、
当盤はジャケ買いしました(笑)

演奏もよいですが、この盤は録音も秀逸ですよね。
ソニー・クラークがピアノというのも好きな理由であります♪ (2012年05月11日 17時46分49秒)

Re[1]:ジョニー・グリフィン 『ザ・コングリゲーション(The Congregation)』(01/19)  
andale  さん

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