さて、この「王は死ぬものだ」は、とにもかくにも、曲の終りに向けての盛り上げが実に叙情的で、感動的な曲である。初期のライブではよく取り上げられていたようだが、80年代にオーケストラ・ツアーで演じられた後はほとんど取り上げられなくなった(2004年にオーケストラを率いてライブ・ツアーをした際には演奏されたという)。曲調からして、オーケストラとの共演が不可欠という風にエルトンが考えているということだろうが、ライブではある種“幻の曲”となっているのがもったいない佳曲だと思う。とはいえ、オーケストラを伴ってのこの曲の演奏が素晴らしいというのは、『エルトン・スーパー・ライヴ(Live in Australia)』に収録されたテイクからも伺える。