ズート・シムズは1925年生まれの米国のテナー奏者(後にソプラノ・サックスも演奏)。彼の代表的な盤はいくつかあるが、そのうち、1961年の渡欧の際にパリで吹き込まれたのが本盤『ズート・シムズ・イン・パリ(Zoot Sims in Paris)』。白人テナーのワンホーンで、スウインギーな演奏で知られるズート・シムズだが、この盤はよりリラックス度の高い1枚である。とりわけ代表盤としてよく言及されるの『ダウン・ホーム』や『ズート』あたりのイメージで激しくスイングしたノリのいい演奏を期待すると、本盤については、いくらか肩透かしを食らうかもしれない。いや、別に全然スイングしていないとか言うつもりなのではない。でもゆとり度とくつろぎ感が上記代表作に比べるとだいぶ強いというのが、本盤の全体としての印象なのである。
1. Zoot’s Blues 2. Spring Can Really Hang You Up The Most 3. Once In A While 4. These Foolish Things 5. On The Alamo 6. Too Close For Comfort 7. A Flat Blues 8. You Go To My Head 9. (Stomping at the) Savoy