音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014年12月31日
XML
テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 「ウィナー(勝者)のサークル」なるよくわからぬアルバム名。その実態はと言えば、音楽誌(『ダウンビート』)が1957年に発表した批評家の投票結果を元に選んだメンバーの共演作である。オスカー・ペティフォードは、評価の確立されたプレーヤーとして、ジョン・コルトレーンやケニー・バレル、フィリー・ジョー・ジョーンズやアート・ファーマーは新たなスターの枠で選出され、企画盤としてベツレヘムがこれを録音した。

 一見してわかるように(下記のパーソネル参照)、奇数曲と偶数曲でメンバーが異なる。ベースとドラムは共通だけれども、その他はメンバーや楽器編成が違う。例えば、コルトレーンは“偶数組”にのみ参加で、一方の“奇数組”はサックスは入っていなかったりする。そんなせいか、交互に違った編成の曲が現れ、聴き手としては、どうも統一感のなさに面食らうことになる。A面とB面で分けた方がすっきりしたのではないかという気さえしてしまう。

 全体としては編曲できれいにまとまった感じがする。レギュラーコンボではないが、腕が保証されたミュージシャンが集まったがために、これまでのまとまりができたのだろう。とはいえ、コルトレーンの名や他のメンバーの名につられて、がっつりハードバップなんてものを期待すると、見事に肩透かしを食らうことになってしまう。

 このアルバムにそのような期待を抱いてはいけない。むしろ、室内音楽的に静かに鑑賞するタイプの盤なのだという気がしている。実は筆者も最初は“不完全燃焼盤”みたいなイメージをもっていたのだけれど、このように思って聴き始めた途端、本盤は楽しいということに気がついた。特定の誰かの演奏にじっくりのめり込んで聴くタイプではなく、皆の演奏を少しづつつまみ食いして楽しむタイプの盤だということ。“あっ、コルトレーンが来た”、“このケニー・バレルのフレーズがいいよね”、“エディ・コスタのヴァイブ、いいじゃないか”。さらには、“このアンサンブルいいね”、“おお、このクラリネット(ロルフ・キューン)がはまっている”などと戯言を言いながら聴くのがいいのだと思う。

 真面目にジャズを聴かないと不快感を示す愛好者もいるだろう。けれども、筆者はこういう“酒のつまみ”的にジャズ作品を聴ける可能性もあることを教えてくれたこの盤に感謝している。


追伸:2014年も終わろうとしています。今年1年、ご覧くださった皆さん、本当にありがとうございました。今後とも引き続きご愛顧ください。



[収録曲]

1. Lazy Afternoon

3. Seabreeze
4. Love and the Weather
5. She Didn't Say Yes
6. If I'm Lucky (I'll Be the One)
7. At Home with the Blues
8. Turtle Walk



[パーソネル、録音]

奇数曲:
Art Farmer (tp), Rolf Kühn (cl), Eddie Costa (vib), Kenny Burrell (g), Oscar Pettiford (db), Ed Thigpen (ds)
1957年9月録音。

偶数曲:

1957年10月録音。





【楽天ブックスならいつでも送料無料】ウィナーズ・サークル [ ジョン・コルトレーン&アザーズ ]





下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします!
       ↓          ↓

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ ブログランキング・にほんブログ村へ








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014年12月31日 21時24分11秒 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: