音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年02月07日
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 “三頭政治”というのは、共和制ローマ末期の3人による寡頭政治体制。説明なくとも昔学んだ世界史を思い出したなんて人もいるかもしれない。この“三頭政治”という表現は、ラテン語のTriumviratusに由来し、本盤の英語の原題もそのままの同じ単語(英語形Triumvirate)。後にはソ連のトロイカ体制(三人体制)などにもこの語が用いられ、主要人物が3人いる時にこう言われる。

 そんな大げさな表題の3人とは、マイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield, マイケル・ブルームフィールド)、ジョン・ハモンド・Jr.(John Jammond Jr., ジョン・ポール・ハモンド)、ドクター・ジョン(Dr. John)の3人のミュージシャンである。リリースは1973年で、別にレギュラーのグループではなく、企画盤的なものである。その企画の真相はというと、名プロデューサーのジョン・ハモンドが息子のジョン・ポール・ハモンド(既に1962年から活動をしていた)の売り出しを図って、同じレーベルに属するブルームフィールドとドクター・ジョンを呼び寄せてセッションを行ない、レコード化したということらしい。

 こうしたの経緯を知ってしまうと身も蓋もない企画のように思えるかもしれないけれど、そんなことはない。内容はとにかく最高で、とにかくカッコいい楽曲・演奏が並んでいるのである。ブルース・ロックやホワイト・ブルースに惹かれた人には必聴盤の一つとすら言えるように思う。上の企画経緯のせいか、主役は明らかにヴォーカルのジョン・ハモンド・Jr.である(実際、3人が並んだジャケ写でも彼が真ん中に座っている)。マイク・ブルームフィールド(ギター)とドクター・ジョン(ピアノ、オルガン等)は一歩引いて、どちらかと言えば控えめに演奏している。そのようなわけで、あくまでカッコよさの第一の主役はハモンドのヴォーカルにある。

 それを下支えしているのが残る二人。ブルームフィールドのギターは決して全開ではないので、ファンの方は妙な期待を持たない方がいい。とはいえ、1.「チャ・ドゥーキィ・ドゥー」や8.「ロック・ミー・ベイビー」などでは、彼らしい、渋いギター・プレイが聴かれる。さりげなく強固な支柱になっているのは、ドクター・ジョンである。3.「アイ・ヤイ・ヤイ」や5.「ベイビー・レット・ミー・キス・ユー」なんかはとりわけドクター・ジョン色が濃いように思われるが、彼の本領発揮は全体のアレンジャーとしての働き、さらには、随所でのピアノやオルガンのさりげないプレイにある。いやはや、ドクター・ジョンが凄いのはもちろんのこととして、このアレンジに即してこれだけしびれるヴォーカルを展開できたハモンドもお見事。

 そのようなわけで、企画自体の経緯はともかく、でき上がってここにある作品は素晴らしいの一言に尽きる。いつまでも聴き続かれるべき名作。



[収録曲]

1. Cha-Dooky-Doo
2. Last Night

4. Just To Be With You
5. Baby Let Me Kiss You
6. Sho Bout To Drive Me Wild
7. It Hurts Me Too
8. Rock Me Baby
9. Ground Hog Blues
10. Pretty Thing

1973年リリース。






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Last updated  2015年02月07日 08時02分22秒 コメントを書く
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