その一方で、パパ・ジョン・クリーチ(ブルース・ヴァイオリニストで、ホット・ツナのアルバムにも参加)が参加しているのが新しい点と言える。彼のヴァイオリンがフィーチャーされているのは、1.「大地が再び動く時(When the Earth Moves Again)」、4.「美しさは君の心のなかに(Pretty as You Feel)」、さらには、インスト曲の5.「野生の七面鳥(Wild Turkey)」とのこと。加えて、クレジットはされていないものの、4.「美しさは~」には、カルロス・サンタナがギターで参加している。
収録曲のうちで気に入っているものを少し上げておきたい。まずは、上記の4.「美しさは君の心のなかに」および5.「野生の七面鳥」への流れ。ちょうどアナログ盤のA面の終盤にあたる箇所だが、力技や勢いではなく、こういうまったりやじっくり聴かせるタイプの演奏で、文字通り“聴かせられる”というのは、ある意味、バンドの成熟をよく示していると思う(5.のギターとヴァイオリンの絡みは特に聴き応えあり)。これら2曲はヨーマ・カウコネンが携わった曲だが、同じくカウコネンの8.「チェルシーの第三週(Third Week in the Chelsea)」も個人的には好み。グレース・スリックのナンバーの中では、ピアノ中心のシンプルな演奏の3.「おかしなミランダ(Crazy Miranda)」、ジェファーソンらしい盛り上げ型の6.「法の番人(Law Man)」がいい。
[収録曲]
1. When the Earth Moves Again 2. Feel So Good
4. Pretty as You Feel 5. Wild Turkey 6. Law Man 7. Rock and Roll Island 8. Third Week in the Chelsea 9. Never Argue with a German If You're Tired or European Song 10. Thunk 11. War Movie