音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2024年08月15日
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サビーナの魅力に満ちた好盤


 フランコ体制下で英国へ亡命して詩を学んだホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、1977年にスペインに帰国し、詩人かつシンガーソングライターとして活動した。1992年にリリースされた本盤『フィシカ・イ・キミカ(Física y química)』は、1978年のデビュー盤から数えて8枚目のスタジオ作となった。

 表題の『フィシカ・イ・キミカ』というのは、スペイン語で“物理と化学”の意味。この難解にも見える表題とは裏腹に、シンガーソングライターとしてノリにノッているサビーナが堪能できる盤で、クオリティも高い。余談ながら、この盤は、2012年にソニー・メキシコが発表した“世界の終わりまでに聞いておくべき100枚”にも選出されている。

 オープニングを飾る1.「イ・ノス・ディエロン・ラス・ディエス」は、シングルとしても成功を収めたナンバー。いきなりラテン・トラディショナル風の曲調のナンバーでアルバムが始まるが、これがアルバム全体のトーンというわけではない。全体としては、ロック/バラード調の曲が中心となっている。

 そんな中で、名曲度という観点で言えば、詩人としての語り口が冴える3.「ジョ・キエロ・セール・ウナ・チカ・アルモドバル」が抜きんでている。曲とヴォーカルのカッコよさという点では、5.「トドス・メノス・トゥ」がおすすめ。正統派のロック・チューンとしては、6.「ラ・デル・ピラータ・コホ」がいい。

 最後に、彼が得意とする詩人的バラード系のナンバーをもう少し挙げておきたい。9.「ペオール・パラ・エル・ソル」は柔らかい語り口が魅力となっている。一方、10.「アモール・セ・ジャマ・フエゴ」は、美メロを含むこれまた魅力的なナンバーに仕上がっている。全体として詩人/歌手サビーナの魅力がうまく詰め込まれており、この人の作品をまず1枚聴いてみるという向きにもおすすめの好盤だと言えるように思う。


[収録曲]

1. Y nos dieron las diez
2. Conductores suicidas

4. A la orilla de la chimenea
5. Todos menos tú
6. La del pirata cojo
7. La canción de las noches perdidas
8. Los cuentos que yo cuento
9. Peor para el sol
10. Amor se llama el juego
11. Pastillas para no soñar

1992年リリース。




 ↓ベスト盤です(今回紹介の盤ではありません)。↓
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【輸入盤CD】【新品】JOAQUIN SABINA / GRANDES EXITOS: TODOS HABLAN DE TI




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Last updated  2024年08月15日 20時39分56秒
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