フリーページ
「今の時代潮流と、ああいう法律は理論的に矛盾する」
日本経団連次期会長の御手洗富士夫・キャノン社長は、1月23日の記者会見でそう語りました。
政治資金規正法は、株式の50%以上を外国人や外資が保有する株式会社の献金を禁じています。この規制に穴を開け、外資系企業も献金できるようにすべきだ、というのです。
自民党がすぐに動きました。3月17日の総務会で、外資系企業も献金の献金を認める法案を今国会に議員立法として提出することを決めました。同「改正」案は(1)日本に本社がある(2)日本の証券取引所に上場している--の2条件を満たせば外資系企業でも献金できるようにするものです。
次期会長企業が
経団連加盟企業は約1300社。うち約100社が今の外資規制にかかる企業です。御手洗氏が社長のキャノンも外資献金規制の対象企業。日産自動車、オリックスも規制にかかります。このままでは経団連会長企業が献金できない事態になります。
経団連関係者は語ります。
「日本の企業はいま積極的に外国からの投資を呼びかけています。外国からの資金が増えていきます。企業買収も予想される。このままでは10年後には経団連の会長副会長企業はみんな献金できなくなるかもしれません」
献金増やす財界
経団連は2003年12月末に、企業献金あっせんを再開しました。財界が望む政策を掲げる「2大政党制」をめざし、財界に有利かどうかで政党を評価して献金を拡大しました。「政党買収」です。
04年は新たに100社以上が献金を開始。献金額は約4億円増え、合計で23億円弱にのぼりました。しかし、経団連現会長の奥田碩・トヨタ自動車会長は記者会見で献金を「もっと増やしたい」(05年10月11日)とさらなる献金拡大を狙っています。
経団連関係者と自民党の間では以前から、外資献金解禁が議論されていました。経団連関係者も「自民党の政治家と、折にふれて外資献金規制緩和の話を交わしていた」と認めます。今回の動きは両者の合作なのです。
本来は重い罰則
問題は深刻です。
そもそも外資献金はなざ禁止されていたのでしょうか。
外国人や外資献金が制限されたのは、75年の政治資金規正法改正によってです。外資から献金を受け取ったものは、3年以下の禁固または50万円以下の罰金が科されるほど、厳しい規定です。
外資献金禁止を提案した第5次選挙制度審議会ではこんな主張が出されました。
「外国人の意向に従うということは独立国として考えられない・・・外国法人の寄付は取るべきでない」(田上譲治一橋大教授=当時)
外資献金を制限する理由を総務相政治資金課もこう説明します。
「外国人や外国の政府・組織などの勢力が、政治献金を通じて日本の政治や選挙に影響を与えることを未然に防止するためです」
もともと企業献金は、企業の利益を実現するための「わいろ」という性格を持っています。
日本の企業、財界が献金を通じて政治買収をするのも問題ですが、外資が金の力で日本の政治に影響力を強めたら一体どうなるのか--。米国政府の圧力にくわえ、政治献金も有力な武器になってきます。憲法に定められた国民主権や国の主権がゆるぎかねない大問題なのです。
会社法が変わり、07年5月からは外国企業は自社株を対価にして、日本の子会社を通じて日本企業を買収できるようになります。そうなれば、外資支配下企業の献金攻勢も可能になります。
自民党と経団連の思惑が禁断の扉を開こうとしています。
「女系天皇誕生封じる」 海外、日本社会… 2026年08月05日
11宮家が離れたわけ(4日の日記) 2026年08月04日
養子案、安倍氏源流に急浮上 「女系」高… 2026年08月03日
PR
キーワードサーチ
コメント新着