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米議会筋は15日、6月末に予定される小泉首相の訪米を控え、米下院のヘンリー・ハイド国際関係委員長(共和党)が、デニス・ハスタード下院議長に対し、首相の靖国神社参拝に懸念を表明する書簡を送っていたことを明らかにした。
同筋は「私信」として詳細を明らかにしなかったが、4月下旬に送られた書簡は、日本政府の模索する首相の議会演説を基本的に歓迎する一方、首相が帰国後、東条英機元首相らA級戦犯が合祀されている靖国神社を参拝することを懸念する内容という。議長からハイド氏への返信はまだないという。
82歳のハイド氏は第二次世界大戦に従軍経験もあり、昨秋には、首相ら日本政府関係者の靖国神社参拝を「遺憾」とする書簡を、加藤良三駐米大使に送った。<関連記事4面>
米下院のヘンリー・ハイド国際関係委員長が小泉首相の靖国神社参拝を批判したことについて、政府は「個人的な見解」と努めて冷静に受け止めている。しかし、自民党からは「日米関係に影を落とす問題に発展しかねない」との懸念が出始めており、9月の党総裁選にも影響を与える可能性もある。
小泉首相は16日、首相官邸で記者団に「日本国内でも賛否両論あるんですから、アメリカも自由な国だから、賛否両論あるでしょう」と述べた。安倍官房長官も記者会見で「多くの米国会議員は信仰の自由の大切さを理解し、(ハイド氏のような)批判はしていないのではないか」と強調した。
ハイド氏は第二次世界大戦に従軍した経験がある。政府内には、「靖国神社への首相参拝について、ハイド氏は『戦争を美化する』と誤解しているのではないか。議会全体の意見にはならない」(外務省筋)との見方がある。ただ、靖国問題に対する米国内の微妙な変化を感じ取る向きもある。政府関係者は16日、「アジアの大国である日本と中国の関係悪化は、米国の利益にならない。底流に靖国問題があることが米国でじわりと浸透し始めている」と語った。
一方、靖国参拝に批判的な自民党議員からは、米国の懸念について「国際問題という認識を持たなければならない」(衛藤征士郎・元防衛庁長官)と問題視する意見が出ている。加藤紘一・元幹事長は16日、「総裁選への影響は大きい。小泉内閣は米国が日本側についてさえいれば大丈夫だと思っていたが、その米国に足元をすくわれた形だ」と語った。
「ポスト小泉」候補の中では、安倍官房長官が靖国参拝に肯定的だ。安倍氏周辺からは「反安倍勢力が米国の懸念を材料に、靖国問題で安倍氏を追い込もうとしている」と警戒する声もちらつく。中国、韓国との冷え込んだ関係が続く中、「総裁選は、アジア外交や歴史認識の論争が激しくなる」との見方が広がっている。「ポスト小泉」候補にとって、今後は米国内の反応も注目点になりそうだ。
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