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2018年10月21日
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テーマ: ニュース(96851)
カテゴリ: ニュース
今月16日に茅ヶ崎市で開かれた「慰安婦」の映画の上映会に関連して、16日の神奈川新聞は次のような詳細な記事を掲載した;



(松島 佳子)


 <私たちは15、16、17歳の花のような年頃に、日本軍によって強制的に連行され、数年にわたり将兵らの恐るべき性暴力に蹂躙(じゅうりん)された被害者たちです。私たちは日本政府が要求に応えない限り、生きて国には帰りません>

 1994年5月、元慰安婦の八ルモニ15人が、日本政府の謝罪と個人補償を求めて来日した。半世紀の沈黙を破ったハルモニたちが身にまとった白い民族衣装には、死んだ多くの仲間への哀悼と無念の思いが込められていた。

 昨年12月に公開された新作「沈黙」には、20年以上前に記録された証言と映像が多く収められている。当時、朴さんは60歳手前。20代から民族差別問題に取り組んできた在日コリアン2世の自身にとっても、ハルモニたちの闘いぷりには圧倒させられたという。

 1965年の日韓請求権協定に基づいて「法的責任は解決済み」とする日本政府に対して、政府機関前で座り込みをし、皇居前では「天皇の戦争責任」を訴えたハルモニたち。

 「最も惨めで、哀れで、社会が軽蔑しきっていた被害者たちが自ら受けた被害を告発し、そして『侵略戦争の最高責任者の責任』を問うわけです。これはすごいことだと思いました」

 各地で開かれた証言集会には、戦犯となった元軍医や元日本兵が自主的に参加するようになっていく。元軍医の男性は作中で、天皇中心の軍国主義下で慰安所がつくられ、それが軍のシステムの一部として機能していたと、証言している。

 <この戦争が侵略戦争であることは誰でも分かる。けれども、(兵士は)天皇のため、国のため、アジアのためだということを言わされ、教え込まれている。(その兵士たちが)やっと『慰安所』へ行って一息をつく。(慰安所で)人間らしさを回復し、力を出し、そして、また明日戦闘行為をする。つまり、日本の軍隊は兵隊に戦闘させるため、計画的にこの『慰安所』を戦争のための兵器として使っていたのです>

■盗人猛々しい

 ハルモニたちの闘いから20年。映画化のきっかけは、2015年、日韓両政府による「従軍慰安婦問題の日韓合意」だった。

 日本政府は「当時の軍の関与の下、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題で責任を痛感している」と表明したが、被害者支援のため、韓国政府が設立する財団に拠出する10億円は「賠償」ではないこと、「法的に解決済み」とする従来の政府見解に変更がないことを明言した。さらに、合意により、慰安婦問題は『最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」とした。

 朴さんは言う。

 『日本語の『盗人猛々しい』という言葉を真っ先に思いました」

 戦後補償を巡る、数々の出来事が去来する。

 90年代から2000年代にわたり、アジア各国や諸地域の元慰安婦や元労働者が日本政府に対して損害賠償を求めて提訴する「戦後補償裁判」が相次いだ。

 裁判は当初、 不法行為から20年が過ぎると損害賠償請求権が消滅する除斥期間の経過を理由に請求を棄却 する判決が続いた。 だが、こうした主張を「正義に反する」として原告の請求を認める判決が出始める と、日本政府は請求棄却を求めて除斥期間ではなく、新たな根拠を見いだしていく。

 連合国とのサンフランシスコ平和条約(51年)といった、 戦争状態を終結させる条約などで「相互に個人賠償謂求権も含めて放棄した」として、各国個人の請求権は放棄されていると主張 したのだ。

 「侵略戦争の資任をあいまいにし、被害救済をせず、 しまいには『もう、蒸し返すな』と。 結局、日本政府は最初から最後まで加害の歴史に向き合わなかった」

■国民の人間回復

 映画「沈黙」が問い掛けるのは、慰安婦問題だけではない。

 合意から約4ヵ月前の15年8月、安倍晋三首相が戦後70年談話を発表した。朝鮮半島の植民地支配についての直接の言及はなく、そればかりか、朝鮮支配につながった戦争を肯定するかのような文言が並んだ。

 そんな政権に呼応するかのように、日本社会の一部からは、朝鮮半島を植民地化した史実をもみ消そうとする動きが起きている。上映会が近づくと、ネット上には事実をねじ曲げる書き込みがあふれ、上映会を後援する市や市教育委員会には、上映中止と後援取り消しを迫る電話が続いた。

 太平洋戦争の戦没者は軍人、民間人を含めて310万人に上る。あの戦争は何だったのか。なぜ、あれだけ多くの命が奪われなければならなかったのか。

 「ハルモニたちは、軍国教育により戦争へと駆り立てられた日本国民の『被害』にも光を当てた」

 94年、初来日したハルモニが帰国前に残した「声明文」の文言にはこうある。 <私たちの名誉回復とは、まさしく日本の国と、国民ひとりひとりの名誉、人間回復につながる闘いであることを確信している>

 「なぜ、日本国民が戦後も臣民であり続け、国家を批判するものを非国民扱いするのか。この問題の根底を、元慰安婦のハルモニたちは訴え続けている」

 昨年12月に東京で公開されると、戦争を知らない世代も多く訪れた。その中には「歴史を教えてくれてありがとう」と涙する高校生もいたという。

 ハルモニたちの多くはこの世を去ったが、朴さんは言う。

 「このか細い声が、どんどん大きくなり、日本の若い世代の耳に、胸に届くことを願っている」


2018年10月16日 神奈川新聞朝刊 A版 15ページ 「論説・特報-加害の歴史、向き合わず」から引用

 私は戦後に生まれたので、戦争というのは「戦前」と呼ばれる昔にあった出来事という認識でいたのであったが、これはとんだ勘違いで、戦争そのものは終わっても戦後補償はまだ済んでおらず、90年代になっても日本政府は「除斥期間」だの、サンフランシスコ講和条約で個人請求権も放棄されたのだのと言い訳をして責任逃れをしていたとは呆れた話です。90年代に中国や韓国の元労働者たちが損害賠償を求めて裁判を起こしたとき、日本のメディアと日本国民は傍観しないで、彼らを積極的に支援するべきだったと思います。そうすることによって初めて私たちの日本は侵略戦争を反省することができたはずですが、もったいない機会を失ったものだと思います。慰安婦だった人たちの名誉回復は、まさしく日本の国と国民の名誉を回復し人間を回復する闘いであるという言葉は真実を言い表しており、慰安婦像の撤去を主張したりする言動は日本人の恥を世界にさらし日本の名誉を傷つける行為です。





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最終更新日  2018年10月21日 01時00分08秒


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