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2021年09月11日
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テーマ: ニュース(96853)
カテゴリ: ニュース
菅野賢治著『「命のビザ」言説の虚構』(共和国刊)について、8月28日の毎日新聞は次のような書評を掲載している;




 1939年9月に祖国ポーランドがドイツとソ連に分割・占領され、 中立国リトアニアに逃れたユダヤ難民は翌40年夏、ビザを求めて日本領事館に詰めかけた。 東京理科大教授でフランスのユダヤ世界を研究してきた著者は、「アメリカ・ユダヤ合同分配委員会」(JDC、本部ニューヨーク)の現地代表として難民支援にあたった米国人ベッケルマンが残した電文やリトアニア古文書館の記録などを詳細に分析。ユダヤ難民が国外脱出を図ったのは、ソ連が40年6~8月にリトアニア併合を進める中で「財産没収や宗教の禁止、思想弾圧を懸念したため」と結論づけた。

 一方、「ホロコーストの恐怖」については資料から読み取れず、 実際にナチスがユダヤ人絶滅政策を始めたのは41年秋以降 であり、「<あと>に起きた出来事をもって<前>にあった事象の説明材料にしようとするものだ」と指摘する。ほかにも、

▽杉原がビザ発給そのものの許可を外務本省に求めた形跡はない
▽杉原ビザがなくてもモスクワの日本大使館が出した上陸許可で来日したケースがあった

-など通説を覆す調査内容が盛り込まれている。

 難民が置かれた事情を考慮し、発給条件を緩く解釈してビザを出した杉原の行為自体は「人道性の表れ」と評価する。それでも「史実とかけ離れた言説が流布し、受容されている状況は問題だ。最近は学校の教材にも取り上げられているが、杉原ビザを歴史全体の流れの中に正しく組み込む作業が必要だろう」と社会に警鐘を鳴らす。
<文・田中洋之>


菅野賢治著『「命のビザ」言説の虚構』(共和国・5720円)


2021年8月28日 毎日新聞朝刊 13版 21ページ 「今週の本棚 - ユダヤ難民を救った史実」から引用

 外交官・杉原千畝と言えば、ナチスの迫害を逃れて大使館に殺到したユダヤ人に、夜を徹してビザを発給して多くの人々の命を救った「美談」として知られているのだが、しかし、実際にユダヤ人の大群が日本領事館にやってきたのは1940年の夏で、ナチスがホロコースト政策を始めたのは1941年秋だったという史実を並べれば、確かに「ナチスの迫害を逃れるために、ユダヤ人が日本領事館にやって来た」という話は辻褄があわなくなる。この度、菅野賢治氏の研究の結果、私たちは本当の歴史を知ることができ、国際的に恥をかかずに済んだのは良かったと思います。





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最終更新日  2021年09月11日 01時00分07秒


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