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(取材班)
「桜の問題は、安倍さんにとっては、のどに刺さった小骨のような存在だ」。自民党の閣僚経験者は語ります。
昨年12月、安倍氏側による前夜祭費用の補てんなどの収支を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、主催した「安倍晋三後援会」の代表で安倍氏の公設第1秘書(いずれも当時)の配川博之氏が略式起訴されました。安倍氏は不起訴でした。今年7月、検察審査会は費用補てんが違法な寄付にあたるとする公職選挙法違反容疑などについて、安倍氏の不起訴を不当だと議決。特捜部が改めて捜査しています。
今回の告発は、それとは別のものです。告発の対象となっだのは、 安倍晋三後援会の2017年から19年の3年分の収支報告書の訂正内容です。
前夜祭の参加者が支払った参加費の合計額では足りない分をホテルに支払うため、安倍氏側か補てんしました。金額は190万1056円(17年分)、150万6365円(18年分)、260万4908円(19年分)。3年間の補てん額の合計は601万2329円です。
これに対応する収入として後援会は17年の収支報告書を訂正し「前年からの繰越金」があったとしました。金額は601万2329円。3年分の補てん額の合計と1円単位まで同じです。
つまり、17年に繰越金があったことにし、3年かけてそれをぴったり使い切ったことにしたのです。
◆原資を隠ぺい
弁護士クループは 「そもそも存在しなかった『繰越金』を計上し、『3年分のつじつまが合えばよい』と形だけを整えて補てん分の原資を隠ぺいしているという他ない」 と指摘します。
安倍氏は昨年12月、会見や国会で、補てんの原資について「私のいわば預金からおろした資金」と説明し、ホテルとの交渉や支払いは「東京の事務所」が行ったと話しています。 山口県に所在する後援会の繰越金で処理したというのは、その証言とも矛盾します。
安倍氏は後援会の収支報告書の訂正について「捜査当局の指導を受けて、このような額に訂正しろということも含めて訂正している」と国会で答弁(昨年12月25日)していました。
弁護士らは安倍氏の一連の発言について「 補てんの原資が後援会の繰越金ではないことを知りながら、後援会の収支報告書における前年度からの繰越金を増額訂正するという虚偽記入をしたことになる。 被告発人安倍に故意があったことを明白に裏付けるものだ」と指摘します。
そもそも13年の前夜祭は、安倍氏の証言通り、晋和会が支出し、ホテルから領収書を受け取っていました。
「東京での支出は晋和会だった」と安倍事務所の内情をよく知る関係者も話します。
◆直接責任回避
なぜ晋和会ではなく、安倍晋三後援会の訂正ですまそうとしたのか。資金管理団体である晋和会の代表は安倍氏です。 補てんの原資が晋和会からとなれば、安倍氏は、有権者”買収”の直接の責任を問われる ことになります。
前出の関係者は指摘します。「そもそもこの問題の本質は、安倍氏が地元選挙区の有権者のために、前夜祭での飲み食いの代金を補てんした公選法違反の有権者″買収″だ」
自身は関知していなかったと釈明する安倍氏。しかし関係者は 「安倍氏が指示しない限り秘書はそんなことはやらない」 と反論します。
この関係者は、かつて地元事務所の活動費などは安倍氏本人から現金の形でもらっていたと証言します。「代議士本人(安倍氏)が地元に帰ってきたときに事務所の責任者が代議士の自宅に行って『今月分はこれだけ』とお金をもらっていた。配川氏が筆頭秘書になってからは、月に1回上京してお金を持ち帰り、事務所内の金庫に入れ、地元の政治団体ごとに使い分けていた。 配川氏が安倍氏に無断で勝手に補てんをするのは考えられない 」
日曜版(4月4日号)は、責任をとって公設第1秘書を辞したはずの配川氏が安倍事務所に私設秘書として”復職”していることをスクープしました。(※引用者注を参照)その配川氏は、変わらず事務所に出てきて活動していると関係者はいいます。安倍氏はこうした事実も含め国会の場で説明する責任があります。
※引用者注:配川氏復職に関する記事は当ブログ本年4月22日の欄に引用してます。
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