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2023年04月03日
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テーマ: ニュース(96857)
カテゴリ: ニュース
最近は斜陽の傾向を見せているアメリカに比べ、国際社会でますます存在感を高めている中国について、毎日新聞専門編集委員の坂東賢治氏は3月25日の同紙に、次のように書いている;




 「中国版イージス」とも呼ばれる昆明級駆逐艦で実現すれば1兆円を超える取引になるという。米国も神経をとがらせ、オースティン米国防長官がサウジに購入断念を迫ったと伝えられる。

 昨年11月に広東省珠海で開かれた中国最大の航空ショーではやはりサウジが20億ドルの大口契約を発注したと報じられた。大半はロシアのウクライナ侵攻でも注目される軍事用ドローンという。

 中国で年に1度開かれる全国人民代表大会で習近平国家主席が3選を決めた今月10日、長年にわたって敵対してきた サウジとイランが中国の仲介で7年ぶりの外交関係正常化に合意 した。

3国の共同声明の英文版には「習近平国家主席閣下の崇高なイニシアチブに応えて」という表現があった。祝賀の意味も込めて外交当局が周到に準備した成果であることをうかがわせた。

 イラク戦争20年を前にオースティン氏が中東を歴訪し、イランの脅威を訴えた直後の発表でもあった。戦後長く中東に影響力を行使してきた米国の「退潮」を国際社会に示すことにもつながった。

    ◇  ◇

 第二次大戦後の中東地図を大きく変えたのが1956年のスエズ戦争といわれる。エジプトのナセル大統領が英国の支配下にあったスエズ運河の国有化を宣言。これに反発したイスラエルや英仏がエジプトに侵攻した。エジプトは戦闘では勝ち目がなかったが、国際世論を味方にした。 アイゼンハワー米大統領が英仏を支援せず、即時停戦を求め、孤立した英仏が国連の停戦勧告を受け入れた。運河国有化を成し遂げたナセル氏は「アラブの英雄」になった。

 「今日世界には米ソ2大国があるだけだ。英仏はしかるべき地位、大国でもない地位に押しやられた」。若き高官だった後のサダト・エジプト大統領の言葉という。

 ナセル氏は米ソ対立を利用しながらどちらにもくみしない非同盟の第三世界の盟主として指導力を発揮した。 スエズ戦争の年にエジプトと国交を結んだ中国も中東の独自性発揮を支持した。

 当時、中国の影響力は限定的だったが、今では中東の石油や天然ガスの最大の顧客が中国だ。中国にとっては安定的にエネルギーを確保するために中東の平和、シーレーンの確保が欠かせない。

 米中対立の中、中東諸国が今後、かつてのナセル氏のように動くという見方もある。米中どちらにもくみせず、双方から得られるものを得ようというわけだ。サウジの動きはその第一歩かもしれない。

    ◇  ◇

 武漢での新型コロナウイルスの流行直後に中国外務省報道官に就任した趙立堅氏が1月、目立たない役職の国境海洋事務局副局長に異動した。SNS(ネット交流サービス)で攻撃的な対外発信を続け、「戦狼(せんろう)外交」の代表格といわれた人物だ。昇格でもなく、「戦狼外交」の転換を示す人事とも受け止められた。

 米国を批判する対外発信は続いている。中国外務省は2月以来、米国の「麻薬中毒」「銃犯罪」「覇権とその弊害」「民主主義の実態」をまとめた文書を公表した。南半球に多く「グローバルサウス」と呼ばれる新興国や途上国に向け、米国は信頼に足らないと宣伝する狙いが色濃い。米国の人権外交をいやがる中東も当然、対象だろう。

 一方で米国以外への批判のトーンは下がった。むしろ中国への理解を深めようとする宣伝術が目立つ。2月に公表した「グローバル安全保障イニシアチブ(GSI)」の概念文書が好例だろう。 「主権尊重、領土保全、平等、内政不干渉」を原則に国運中心の安全保障環境の確立を求め、米国との差別化を図っている。

 ウクライナについて停戦や対話、人道危機の解決、民間人や捕虜の保護、原発の安全確保、核不使用などを盛り込んだポジションペーパーを発表したのもその一環で、サウジ、イランの仲介は成功例という位置づけだ。

 中国外務省は習近平国家主席の訪露を「和平の旅」と位置づけた。対米共闘を見せつけるような共同声明を読めば、米側に立つ日本や欧州諸国は鼻白むだろうが、宣伝戦の対象は欧米ではない。重視しているのは「グローバルサウス」がどう受け止めるかだ。

 ロシアとも一定の距離は置いている。今回の声明と昨年2月の北京冬季五輪開会式にプーチン露大統領が訪中した際の共同声明を比べると、重要な違いがある。「両国の友好に限界はなく、協力にタブーはない」という表現が消えたのだ。ウクライナ侵攻に踏み切ったことに中国が不快感を示しだのではないか。


2023年3月25日 毎日新聞朝刊 13版 9ページ 「外事大事-『戦狼』薄める中国外交」から引用

 この記事のポイントは、スエズ戦争の当時、エジプトと国交を結んだ中国の影響力は限定的であったが、今では中東の石油・天然ガスの最大の顧客であるため、これまで武器や防衛関係の製品輸入はアメリカ一辺倒だったサウジアラビアが中国の駆逐艦その他の武器を購入するし、中国の言うことを聞いてイランとも和睦することになったという点です。一昔前であれば、軍隊を派遣して武力制圧して市場を開放させたり労働力を提供させたりしたものでしたが、現代は経済関係を元にして連携する関係を作り上げる手法がとられているわけです。そういう観点から考えると、日本も最大の貿易相手国はアメリカを抜いて中国がダントツの相手国となっており、太平洋を隔てた遠いアメリカと連携するよりは近くの中国とより緊密に連携するほうが合理的であることは一目瞭然で、近い将来はそのような「転換」を迫られる時が来ると思われます。そのような時に、政治を担当する者が事態を適切に判断して、変化に相応しい対応を取れるかどうか。政治家としての地位を親から引き継いだだけの世襲の政治家は既得権益にしがみつくばかりで、国の将来を一顧だにしないということになれば、私たちの日本はまたもや「国の進路」について過ちを侵すことにもなりかねません。選挙にあたっては、将来への見通しがしっかりした候補者を選びたいものです。





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最終更新日  2023年04月03日 01時00分06秒


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