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関東大震災の2ヵ月後、神奈川県が内務省に朝鮮人虐殺の状況を報告したとみられる文書が見つかったと、市民団体が4日に発表した。犠牲者145人の殺害場所や日時、年齢などの詳細が記載されており、政府の「事実関係を把握する記録は見当たらない」という説明を覆す新たな証拠だと主張している。
文書は1923年11月21日付で、作成者は当時の神奈川県知事の安河内麻吉。
「震災二伴フ朝鮮人並二支那人二関スル犯罪及保護状況其他調査ノ件」と題し、警保局長に宛てている。
「内地人ノ朝鮮人二対シテ行ヒタル殺傷事件調」の項目では、57件、計145人が殺害された事例について、発生の日時場所や犯罪事実、被害者の職業や年齢などを記載。14人については名前もある。「犯罪事実」には、放火などのデマを信じた民衆が「犯行ノ鮮人卜思推シ不安卜激昂(げきこう)ノ余り殺害」などと記されている。
市民団体「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」によると、 文書は虐殺研究の第一人者として知られる故・姜徳相(カンドクサン)氏が約10年前、古書店で発見。2021年に亡くなるまで、文書内容を裏付ける実地調査などを続けた。 震災から100年に合わせ、実行委代表の山本すみ子さん(84)との共編で「神奈川県関東大震災朝鮮人虐殺関係資料」(三一書房)として発刊した。
東京都内で会見した山本さんは「政府が虐殺を隠蔽(いんぺい)してきた証拠だ」と強調。 これまで得られている民間の証言とも内容が一部で一致しているとして「文書で(事実関係が)より確実になった」と話した。
松野博一官房長官は4日の記者会見で、文書について「承知していない」と述べ、政府内には記録がないという従来の見解を重ねて示した。
法政大の慎蒼宇(シンチャンウ)教授(朝鮮近代史)は、今回明らかになった文書について「県知事と警察当局のやりとりの文書とみられ、官憲側が虐殺の詳細を記した資料は珍しい」と指摘。「公文書上の位置付けは今後の研究が必要だが、虐殺の実態解明の下支えとなる」と語った。
(森田真奈子)
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