
中国の植民地主義を黙認した日本の失点
日本の安倍晋三首相が先週、インドネシアのアジア・アフリカ会議に出席し、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席らと会談した。安倍は「強い者が、弱い者を力で振り回すことは、断じてあってはならない」と演説したが、物足りない感は否めない。
バンドン会議とも称されるこの国際会議は、60年前、独立したばかりのインドネシアのスカルノ大統領と「エジプトのライオン」ナセル首相、インドのネール首相らの推進で実現したものだ。
史上初めてとなる、アジアとアフリカの有力な政治家たちが一堂に会した会議は「反帝国主義と反植民地主義」を訴えて「バンドン10原則」を宣言した。「すべての国家の主権と領土保全の尊重」「あらゆる人類の平等と大小すべての国家の平等の承認」「侵略または武力行使によって、他国の領土保全や政治 的独立を侵さない」......。
どれも美しいスローガンだったが、何よりもアジア・アフリカ諸国にとっては白人の植民地支配から独立を獲得し、有色人種が自らの政権を打ち立てた意義が大きかった。
だがバンドン会議は途中から老獪な中国の周恩来首相の意のままに進んでいった。そもそも会議の成果とされる「バンドン10原則」でさえ、開催前年に周が提唱した「平和共存5原則」論を基礎にしたものだった。
国境外に砂を混ぜる戦略
会議はその後も定期的に開催の予定だったが、62年に中国人民解放軍がヒマラヤ山脈を越えてインドに侵攻したことで、早くも「諸国の結束」は水泡 に帰してしまった。そもそも周の「平和共存5原則」にしても、当時は弱小な国家だった中華人民共和国が米ソ2大国の間で存続し続けるための策略にすぎな かった。弱い中国が同じく貧窮のインドに攻め込んだことで、バンドン会議に参加した各国の首脳陣は冷や水を浴びせられた。
皮肉なことに、今や北京当局こそが、「バンドン10原則」に反する覇権主義を世界で繰り広げている。習は周以来の「平和共存」の仮面を破り捨てて、南シナ海の岩礁に軍事施設を建造してフィリピンを威嚇。日本の尖閣諸島を中国領と主張して軍拡路線を突き進んでいる。
「一帯一路」と表現する「シルクロード経済ベルト」(帯)と「21世紀海上シルクロード」(路)も、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も、すべて は「中華民族の偉大な復興」のためだ。中国が強引に推し進める経済圏戦略はあたかも自国を中心とした新植民地体制の構築を目的としているかのようだ。国際 社会への挑戦にもみえる。
安倍は先週のバンドン会議での演説で「10原則」に触れて「侵略」に言及。しかし、尖閣諸島と南シナ海で覇権主義的な行動を取る中国に対し、「新植民地主義・中華帝国の膨張を中止するよう」要請しなかったのは残念だ。
中国は近代に入ってから万里の長城の外側の諸国を占領して自国の領内に組み込んだ。「砂を混ぜる戦略」といわれるように、内モンゴルやウイグル(東トルキスタン)、チベットに中国人を大量に移住させて人口を逆転させてから自国領とした。
現在でも国境を越えてミャンマー(ビルマ)やラオス、モンゴルで鉱物を「略奪」し、メコン川に巨大なダムを建設して現地の生態系を破壊。同じく覇 権主義的な手法はアフリカのスーダンなどでも見られる。中国流の植民地開拓は進出先で現地の人々を雇用せずに、もっぱら中国人を連れてくるのが特徴だ。世 界中に中国人という砂を混ぜ続けている。
世界は今、アジアとアフリカ諸国が玄関先で欧米の植民地行政官を見送る儀式に参加している間に、裏の勝手口から中国人の植民者が入り込んだことに 気付き始めている。安倍は戦後70年に日本が歩んできた平和貢献の精神をアピールするのはいいが、中国が開拓しつつある新植民地体制を抑えるよう、もっと 発言すべきだったのではないだろうか。
米、中国「砂の万里の長城」に懸念 南シナ海に軍艦派遣を検討
【5月14日 AFP】米国が、南シナ海(South China Sea)で中国が建設を進める人工島の周辺海域に米軍の艦船や偵察機を派遣し、同海域の島々の領有を主張する中国をけん制する方針を検討していることが13日、米当局者の話で明らかになった。
国防当局者2人がAFPに語ったところによると米国防総省は、南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島.Spratly Islands)など数か国が領有権を主張する海域で中国が建設中の複数の人工島について、島から12カイリ以内の海域に駆逐艦その他の軍艦船やP3偵察機・P8偵察機を派遣する計画など、さまざまな選択肢を検討しているという。
匿名を条件に取材に応じた当局者の1人によると、狙いは「航行の自由への支持の表明」と「同盟国の不安の払しょく」だという。この当局者は「米国は、いずれの人工島に関する領有権の主張も正当なものと認めてはいない」と述べた。
ただし米当局者らは、米海軍司令官が「砂の万里の長城」と称した中国の大規模な埋め立て工事を阻止するのは困難かもしれないとの見解を示している。 (c)AFP/Dan De Luce
中国外相「主権守る決意、揺るぎない」 米国務長官訪中で
【AFP=時事、5月16日(土)】米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官は16日、中国を訪問し王毅(Wang Yi)外相と会談した。
北京(Beijing)で会談したケリー長官と王外相は、南シナ海(South China Sea)で中国が建設を進めている人工島の問題を協議したが、中国側は強硬な姿勢を示した。
会談後の共同記者会見で、王外相は「わが国の主権と領土の保全を守る中国の決意は、岩のように強固で揺るぎないものだ」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News 
古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。
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