2016/01/09
XML
【 Photo of the Day 】= namibia-desert-scene by N.Geoglaphic =
2016.01.09.
【 B.G.M. of the Day 】= U2 - With Or Without You  by You_Tube/jp
Click!!!⇒→  https://youtu.be/XmSdTa9kaiQ?list=RDZpDQJnI4OhU
≪【 虎子/ココの誇顧/ココ ; 彷徨癖者・如水が愛犬のココ(ボクサー犬)の悲嘆・感嘆】= 01月09日  =≫

 オリンピックと建築家 =後節= 
=NewsWeek、藤森照信(東京大学名誉教授  ※アステイオン83より転載

競技場-5



 建築・都市計画関係を決める委員会は、岸田日出刀を委員長に、副委員長は高山英華(都市計画)と中山克己(民間建築家)が就き、委員には建設省(現・国土交通省)、文部省、東京都庁の役人、さらに学識経験者が加わる。 実際に決めて動かすのは、岸田、高山、中山の三人。

 一番の難題は敷地で、室内競技場を、当時米軍の住宅地として使われていた旧代々木練兵場に作る計画を立てたはいいものの、敷地に利害を持つ米軍、 自衛隊、外務省、大蔵省、建設省、東京都さらにはNHKまで加わって、スッタモンダを繰り返す。

そして米軍は全面移転、跡地に主競技場と選手村、ただし競 技場は三つを二つに減、と決まった。その後になって、高山の回想によると、「選手村の移転の費用を建設相が出さないと言っている時にNHkの前田義徳会長が、NHkが金出すからあそこの一角よこせ、と来たんだよ」。 で、二つの競技場(プールと卓球場)の横にNHKが移ってくることに決まった。

競技場-6

 米軍移転に始まりNHKの急な転入まで、土地と費用を巡る一件は利害関係者にとって最大の関心事であり、そうしたややこしい問題について高山に聞くと、「これ以上は話せません」と答えるのが常だった。 「死者が出ますから」とも言った。

 敷地が決まると、次は室内競技場。 誰に設計を任せるのか。こちらは土地問題に比べ利害の総量が少ないから死者の出るおそれはない。

 高山の回想; 「岸田さんは、ともかく前川國男さんと坂倉準三さんがあんまり好きじゃねぇんだ。言うこと聞かねぇから。それで岸田さん が丹下健三君を推したんだよ。

だから、初めっからあすこは丹下君だということになっちゃった。ぼく前川さんとか坂倉さんも一緒にコンペでもやれって言ったんだけど」、「岸田さんは建築のこと以外、というかプールを丹下さんにやらせること以外、あんまり興味がなかったみたいだね。都市計画のことなんか嫌だからといって、僕と中山さんが後はやったんだよ」。

 戦前の東京オリンピック計画の建築家に予定されながら、いろんな事情で夢破れた岸田は、その後、戦後復興期を通して丹下健三を国を代表する建築家にすべく尽力し、その総仕上げとして丹下を推した。

 しかし、丹下の名を委員会に出すと、意外な反対があった。 建設省が、建設省関東地方建設局営繕部の部長に任せたいと言い出した。京大出の優れた建 築家かもしれないが、丹下と争うほどとはとても思えない。

幻のオリンピックの東京市の時に続き、建築家の業がまた顔を出した。 どんな組織にとっても内部か らの意向を無下に扱うことは出来ないから、建設省は省内での設計を言い出し、この主張により岸田の丹下推薦は一時の頓挫を余儀なくされる。

競技場-7

 設計を誰にするかは宙吊りになり、日だけが過ぎてゆく中で、岸田は役人を押えるべく、役所が設けた委員会の委員長としては封じ手を使った。 衆議院オリンピック東京大会準備促進特別委員会の席上、岸田の意を受けた野党の議員が、「なぜ設計者がいつまでも決まらないのか」と質問した。 役人は国会に弱いから、岸田の作戦勝ちだった。



丹下と田中をつないでくれたのは、後に田中の下で日本列島改造を進める下河辺淳と思われる。 戦時中、本郷から御茶ノ水にかけての空襲による火事を消すため、東大建築学科には大学院生からなる丹下隊が結成されているが、下河辺も火消しの一員として駆け回って以来の縁。

 かくして丹下健三の代々木オリンピックプールは実現し、二〇世紀後半を飾る世界の名作となった。

 国や時代の記念碑が実現するまでの有為転変、右往左往は、今も昔も変わらない。建築家は、こちら側の岸辺からそうした濁流に飛び込み、泳ぐしかない。向う岸まで泳ぎ切れるか溺れるかは、本人の力と案の良し悪しにかかる、と向うの岸辺に立つ建築史家としては言うしかない。

競技場-8

古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
【 Breathtaking Northern Lights – Alaska
クリック!!!⇒→    https://www.youtube.com/watch?v=XjVwA1UKBzA
----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【壺公夢想;紀行・随筆・探検譜 http://thubokou.wordpress.com/ 】
【疑心暗鬼;民族紀行・歴史紀行    http://bogoda.jugem.jp   】
【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜   http://blog.goo.ne.jp/bothukemon 】

・・・・・スマイルクリック 宜しく・・ ブログランキング・にほんブログ村へ ・・ 人気ブログランキングへ ・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016/01/09 09:35:33 AMコメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

涯 如水

涯 如水

Category

Free Space

※ お願い
下記リンクの移行は本稿(左側⇦)下端部のURL:より

【閑仁耕筆;探検家・挑戦者・登山家の譜講】
・ハインリッヒ・ハラー/オーストリア;- 01~XX節(2014-04-08)
・ジョウジ・マロリー/イギリス;- 01~09節(2014-04-06 )
・ラインホルト・メスナー/イタリア ;- 01~04節(2013-10-29)
・ウーリ=-・ステック/スイス  ;- 01~03節(2013-10-19)
・アナトリ・ブクレーエフ/ロシア ;- 01~06節(2013-10-13)
・探検家フリチョフ・ナンセン博士; - 01~12節(2013-10-13)
・探検家ゼブ・ホーガン博士;- 01~09節(2013-09-28)

【壺公夢想;Home_Page・夢想空間】
紀行随筆
・汗血馬の故郷へ;
・天山南路・歴史紀行;
・天山・草原のシルクロード;
・天山・激動の草原地帯;
紀行エピローグ・写真随筆;
西域人物伝・ティムール;
西域人物伝・ティムールの系譜;
ティムールの系譜“ムガル帝国”;
ジンギスハーンの系譜
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第一部・第一章ジュチ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第一部・第二章バトゥの野望
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第二部チャガタイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第三部オゴデイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第四部トルイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第五部フレグ家の覇権
騎馬遊牧民族
・匈奴の勃興と移動
・欧州・アッチティラの動乱
・ジュンガリア =最後の騎馬遊牧民国家=
絹繡之路(シルクロード)夜咄
・シルクロード夜咄・四駿四狗
・シルクロード夜咄・智謀の将
・シルクロード夜咄・運命の綾
ムガル帝国・建築文化

Calendar

Archives

2026/10
2026/09
2026/08
2026/07
2026/06
2026/05
2026/04
2026/03
2026/02
2026/01

Favorite Blog

スカルノ4 beabea65さん

青空日和 紘子.さん
TOKKOの 詩的な生活 T0KKOさん
しあわせが似合う人 Melody*さん
わたしのブログ 穏やかな海さん
ユーラシア大陸を旅… ユーラシア人さん
気ままにいろいろ NAKA3さん
花*hana*花 *紫陽花*さん

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: