2021/02/27
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​強大化する中国を前に日米豪印「クアッド」が無力な理由​
= NewsWeek_Column  2021年2月22日(月) キショール・マブバニ(国立シンガポール大学フェロー)


オーストラリア、インド、日本、アメリカの4カ国が中国を警戒するのは理にかなっている。強大化する中国に日米豪印戦略対話(クアッド)で対抗しようとするのも理にかなっている。
だが残念ながらクアッドではアジアの歴史の流れは変えられないだろう。理由は2つ。4カ国の地政学的利害と中国に対する脆弱性がそれぞれ異なるから。そして何より、大規模な戦略的駆け引きは軍事ではなく経済分野で起きているからだ。

中国に対して最も脆弱なのはオーストラリアだ。経済は中国頼み。約30年に及んだ景気後退なき成長は、経済的には中国の属州のようになったからこそだ。2018~19年、オーストラリアの輸出の約33%が中国向けで、アメリカ向けは約5%だった。

それだけに、オーストラリアが新型コロナをめぐる国際調査を要求し、中国を公然と侮辱したのは賢明ではなかった。墓穴を掘った形だ。豪中関係が悪化するなか、にらみ合いで先にひるむのはどちらか。答えは出る前から分かっている。仮に中国が譲歩すれば、オーストラリア以外のアジアの国々も中国を侮辱するだろう。

オーストラリアは中国を追い込んだ。だが中国には時間的余裕がある。「豪政府にとって問題は、切り札のほとんどを中国側が握っていることだ」と、豪国立大学のヒュー・ホワイト教授(戦略研究)は言う。「モリソン政権はそれが分かっていない」

日本も別の面で脆弱だ。オーストラリアは友好的なASEAN諸国に恵まれているが、日本の周辺は中国、ロシア、韓国と非友好的な国ばかり。経済規模が比較的小さいロシアや韓国となら何とかやっていけるが、問題ははるかに強大化した中国だ。とはいえ、20世紀前半を除けば、日本は常に中国という強大な隣国と平和的に共存してきた。

巨大市場が雌雄を決する
インドと中国の関係には日中とは逆の問題がある。両国は共に古い文明を持ち、何千年も隣り合ってきたが、ヒマラヤ山脈が壁となり直接接触することはほとんどなかった。現代の科学技術がその壁を克服した結果、昨年6月のように中国軍とインド軍が遭遇し、衝突に発展するケースが増加している。

だが時間は中国に味方している。中国の経済規模は1980年にはインドと互角だったが昨年は約5倍に。2大国の関係というのは、長期的には常に双方の相対的な経済規模に左右される。ソ連がアメリカとの冷戦に敗れたのは、消費支出でアメリカに大きく水をあけられていたためだ。

経済こそが覇権争いの舞台だ。アメリカがTPP(環太平洋経済連携協定)から、インドがRCEP(東アジア地域包括的経済連携)から抜けた結果、中国を軸とする巨大経済圏が展開している。1970~80年代にアメリカの巨大な消費市場がソ連を倒したように、成長し続ける中国の巨大消費市場がこの地域の覇権争いに決着をつけるはずだ。



4カ国の経済的利害と中国に対する脆弱性の違いは、クアッドの論理的根拠を次第に薄れさせるだろう。その証拠に、アジアではアメリカの最も忠実な同盟国である韓国も含めて、新たにクアッドに参加する国は皆無だ。クアッドではなくRCEPこそがアジアの将来像なのだ。 From Foreign Policy Magazine
【 関連記事 】 日豪印が目指すサプライチェーンの再構築は、地政学的・経済的な「反中同盟」の先駆け ​ https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/09/post-94458.php ​

​ 中国はアメリカを抜く経済大国にはなれない  =前節=​
= NewsWeek_Column  2021年2月22日(月) ブレンダン・コール
中国の経済は2050年になっても依然としてアメリカを上回ることはできず、世界第2位に留まる可能性がある、という分析を、ロンドンを拠点とする経済調査会社キャピタル・エコノミクスが発表した。

同社の予想は、中国の経済力が遠からず世界一の経済大国アメリカを超えるという一般的な見方を覆すものだ。

中国の経済的影響力は、アメリカのように着実には増加していかない、と同社は予測しており、その一因として2030年までに中国の労働人口が年間0.5%以上減少することを指摘した。一方、アメリカの労働人口は中国よりも高い出生率と移民による人口増加に支えられて、今後30年間で拡大すると見られている。

「生産性の伸びの鈍化と労働人口の減少によって、中国はアメリカを追い越すことができないという展開になる可能性が最も高い」と、同社は分析している。

同社の報告によると、アメリカと中国の経済力の関係がどうなるかは、生産性の行方と、インフレおよび為替レートの動向にかかっている。 中国が2030年代半ばまでにアメリカを追い抜かないとすれば、「永遠に追いつくことはないだろう」。

さらに「中国がアメリカをしのぐことがあっても、その地位を維持するのに苦労するかもしれない」と付け加える。だが、2030年以降の中国における労働者の生産活動の伸びはアメリカよりも速く、両国間の所得格差は縮小し続けるだろう。

人口動態の逆風が足かせに
この報告書の筆者であるキャピタル・エコノミクスのアジア担当主任エコノミスト、マーク・ウィリアムズによれば、中国の成長が鈍化している最大の要因は、指導者である習近平(シーチンピン)国家主席が経済開放の努力を拒んだことだ。

「国家による経済の支配は、共産党が中国社会のすべてを支配するべきであるという習近平の信念の1つの側面だ」と、ウィリアムズは本誌に語った。
「ほとんどの人が、中国の経済は今後も大きく成長を続け、アメリカを追い抜くのは時間の問題だと考えている。私の見解では、中国の経済成長は過去10年間で大幅に減速しており、今後も減速し続ける可能性が高い。これは主に生産性の伸びが減退しているからだ」

「そうであれば、中国は2030年頃に経済規模でアメリカに近づくかもしれないが、追い越すことはできない」と、彼は語った。
「人口動態の逆風」は今後も中国経済の足を引っ張り続けるとウィリアムズは言い、「中国が経済力でトップになることがあっても、労働人口の減少が拡大するにつれて、再び後退する可能性がある」と、付け加えた。 ・・・・・・明日に続く・・・



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2021/02/27 05:50:05 AM
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