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2021年09月12日
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ニューヨーク出身の、世界的オルガニストのコリー・ヘンリーの紹介と動画をアップしてから、彼の音楽のルーツは黒人の教会のコミュニティーでゴスペル音楽を演奏してきたことについて考えていました。

そしてふと、昔、私が日本でオルガンを学んでいた子供の頃に、教材の楽譜の中には「黒人霊歌」というジャンルがあったことを思い出しました!!!

今思うと、小学校2年生くらいの低学年の時に、習ったオルガンの楽譜の曲には曲名の横に「黒人霊歌」と書いてあって、これが何のことか全く分からずに(笑)、謎に思っていたのでした。

小学2年生の子供に「黒人霊歌」って言っても、もちろんさっぱりわけが分からないのは無理ないですよね~。

当時、オルガンの先生に、「黒人霊歌って何ですか?」と聞いてみても、「アメリカの黒人に昔から伝わっている古い霊歌」と説明されただけだったと思います。

ふう~ん・・・。「昔から伝わっている古い歌なのか~。」と、当時の2年生の私は、「黒人霊歌」について全く意味が分からないまま、オルガン曲を学んで練習して弾いていたのでした。

黒人霊歌はオルガンの教材の中にたくさん出てきましたから、私は有名な黒人霊歌の曲はたいてい学んで練習して育ちました。

・・・これって今振り返ると、私が選んで学んだ楽器はオルガンなので、黒人のゴスペルの教会で演奏されるB3オルガンの曲が多かった理由が分かりました!・・・今まであまり気にしていませんでしたが、オルガンの教材はアメリカの黒人のゴスペルのオルガン曲が多かったのは、本当に現代のオルガン曲のルーツに沿って理に適っていた選曲だったのですね!!!いや~、今まで、全く気がついていませんでした(笑)。


オルタネーティブ・ベースが教材で出てきて習ったのは小学1年生か2年生でしたよ。当時は2年生だから意味も分からずに(笑)、オルタネーティブ・ベースっていう用語をカタカナで丸覚えしていました~。
ウォーキング・ベース(左足)は小学校高学年くらいから出てきて習いました。ニューヨークに来てから知りましたが、ウォーキング・ベースってアメリカのブルースやジャズでも基本のベース進行で、オルガンやピアノの左手でも皆さんよく演奏されているベタなベースラインです。
・・・これ、本当に今まで全く気にしていなくていちいち考えたこともなかったですが。私はオルガンを学んだお陰様で、音楽はアメリカの黒人霊歌の影響をもろに強く受けて幼少時から育っていたのです。知らなかったあああああ~!

黒人霊歌の教材はシンプルで簡単なコード進行のものが多かったので、子供でも練習すれば弾ける曲でした。・・・私は、このような黒人霊歌がたくさん染み込んで育ったため、黒人音楽が潜在意識の底に沈みこんでいたのだな~、オルガンのせいだったのだな~と気が付きました。

オルガン・ジャズやソウル・ジャズ、ジャズ・ファンクなど黒人音楽が好きなのは、こういう上記のような幼児体験、育った環境、5歳からオルガンを学んだことがすごく大きく影響していたのだなと気が付きました。私には知らず知らずにオルガンの楽譜によって黒人霊歌の影響を強く受けていたことに今頃気付き、私の音楽のルーツは黒人霊歌だとも言えるのですね。
今になって私の音楽のルーツに気が付いたため、気になって黒人霊歌について少し調べてみましたところ、18世紀から19世紀のアメリカで、奴隷だった黒人達が集まっていた共同体の教会で歌われて作られて育ってきた宗教歌で、昔の当時はニグロ・スピリチュアルと呼ばれていたそうです。その後、公民権運動が起こって奴隷解放が進んでからは、それはニグロ・スピリチュアルというのは差別用語となったため現在はこのように呼ばれていないですし、そう呼んではいけないそうです。・・・日本語の黒人霊歌というのはこの差別用語を日本語にモロに直訳した言葉だったのですね!!!日本語には黒人霊歌という単語が残ってしまっています・・・。これもビックリです。このような古い黒人霊歌が元になって発展して、後にゴスペルになっていったそうです。

コリー・ヘンリーの音楽のルーツは、まさに上記の黒人霊歌とゴスペルなのですね!黒人霊歌とゴスペルの演奏をしてきたからこそ、2歳からB3オルガンを弾き始めて、オルガン演奏が自然に発展していったのですね。・・・オルガン音楽って、ゴスペルの伴奏でもあったのですね。
そして黒人霊歌はゴスペルだけでなくブルースやジャズの母でもあるから、現在のアメリカ音楽のルーツそのものだと言えます。

・・・こういうことを今一度、思いを馳せてみると、なるほど私が好きな音楽は黒人音楽が多いこととコリー・ヘンリーのオルガンが私の音楽のツボにはまることなど、点と点がつながって線になりました!!!

もしオルガンを選んで学んでいなければ、小学生で黒人霊歌なんか習わないしなじみが全く無かっただろうから黒人音楽の影響は受けないで育っていたと思うし、皆と同じようにテレビから流れてくる歌謡曲を聴いていたのかもしれません。
私が子供の頃からどうしても日本の歌謡曲が苦手でカラオケも苦手で全く合わなかったのは今まで理由がさっぱり分かりませんでしたが、本日振り返ってみて、オルガンを選んで学んだからその教材の楽譜は小学校2年生からは黒人霊歌が多かったということと、黒人霊歌を実際にオルガンで演奏して影響を大きく受けたのが7~8歳からなので私の魂と音感にも深く染み込んだのが早かったからだな~と気が付きました。

良かったのか悪かったのか分かりませんが、アメリカに引っ越してこちらで生活しているので、アメリカ音楽が好きだったのは良かったなと思います。ニューヨークの友人達とは音楽の話が合うし、音楽好きのご縁でミュージシャンの友人も広がったので良かったです。・・・きっと、将来、海外で生活する運命で幼少時から神から全て音楽とオルガンまでセットされていたと思います。


日本で学んだオルガンの教材の楽譜には、黒人霊歌の他にも、古いメキシコ民謡、ルンバ、マンボ、ブラジル音楽(サンバ、ボサノバ)、アルゼンチン・タンゴ、ハワイアン音楽、スタンダード・ジャズなどがあり、ジャズやラテン音楽が多かったです。
その中で私が特に気に入って好きだったのは、ボサノバとジャズの曲でした。

他に自主的に弾いてみたくて教材以外で自分で少しずつ練習していた曲は、ポール・モーリアの曲でした。小学校1年生の時にポール・モーリアの曲を知って、「きれいな曲だな~、こういう曲を弾いてみたいなあ~」と強く思い、だんだんどうしても弾きたくなったので、2年生の時に母親に頼んで楽譜を買ってきてもらいました。
・・・すると、母親が楽器店でポール・モーリア・オーケストラのオルガン用の楽譜を買いたいと聞いたら、

「ええ?2年生ですか?小学校2年生の子供には弾くのは絶対に無理ですよ~!2年生には難しすぎます!」と説得されたそうです。それでも、止められても母親は買ってくるだけは買ってきてくれました。
それから、オルガンの先生にも、ポール・モーリアの曲はまだ難しすぎるよと言われました。
・・・そんなに大人から寄ってたかって難しすぎるから無理って言われても弾いてみたいのに~!と思って、私はあきらめられませんでした。
小学校2年生の子供は家事をしなくていいから暇だから(笑)、放課後、土日とかに少しずつ少しずつ楽譜をなぞって読んで練習してみて、左足の鍵盤は上手く届かなかったから右足で立って左足鍵盤のベースラインも弾いて、音楽をすぐ覚えていたから耳コピも合わせて、両手と左足を同時に弾けるようになりました。最初に弾いてみたのは「薔薇色のメヌエット」で、それから次々にポール・モーリアの楽譜集を少しずつ勝手に長時間練習し倒して、何曲もたくさん弾けるようになりました。

↑それから、弾けるようになった曲をオルガンの先生に弾いてみたら、「ええ~!自分で全部練習したの?すごいねえ~!次の発表会はポール・モーリアの曲にしましょうね!」とすごくビックリ仰天されてひっくり返ってしまいました。・・・子供って「難しすぎる」っていう先入観が無いし、時間がたっぷりあって暇だから(笑)、大人達が思っているよりもチャレンジ精神があって少しずつ練習したら小さい子供でも何でも出来るようになるのですよ。私の体験から学んだことで、真実です。

この当時のことを振り返ってみると、オルガンの教材の順番で、5歳から始めて数年後の小学2年生からは黒人霊歌がたくさん楽譜で出てきていたので、黒人霊歌はシンプルでコード数も少なくてリズムもゆっくりだから弾き始めの子供でも弾きやすい曲なのでしょうね。


前回掲載しました、コリー・ヘンリーの4歳の時の映像を観ると分かりますが、彼のご両親や周りの大人達はコリーのことを「2歳の子供にはオルガン演奏は無理だ」とか「4歳で教会でオルガン演奏の本番をやらせるのは無謀だ」とか全く考えずに、「コリーちゃん、才能があるじゃないの!すごいねえ。ぜひ弾いてくださいね!」と道を開いて機会を与えてあげて、8曲弾けるようになったばかりだった4歳当時でも「マスター・ヘンリー!」と周りが呼んで褒めて本人のやる気と才能を伸ばしてあげたのですよね。コリー君のご両親がすごいですね。子供扱いしなかったのですよね。最初から一人の人間として扱っていて、お母様は子供用の童謡(ABCの歌とか)を教えたのではなく、2歳で最初からいきなり「アメージング・グレイス」を教えたのですからね。

子供の可能性と限界をナメたらいけないのだと思います。
子供のほうが「難しすぎるからあきらめよう」という先入観が無いので、「うわ~!ステキな曲だな~!私も弾いてみたいなあ~!」と素直に感動してしまって、やってみよう練習してみようとするのだと思います。


コリー・ヘンリーも、もし周りの大人達が「この曲はまだ2歳児には難しすぎるから、もっと簡単な子供用の曲から練習しなさい」という順番でやっていたら、今のコリーみたいには究極的に世界一の難易度の弾き方までには到達していなくてごく普通のオルガニストになっていたのかもしれません。
大人が子供の限界を勝手に限定して抑えて子供用のことを教えるというのは、子供の無限大の可能性をつぶしてしまうからもったいないことですね。

ぜひ、親御さん達は、小さな子供が興味を示してやってみたいということは、難しいことでもやらせてあげたらいいと思います。

↓参考に。コリー・ヘンリーが教会のゴスペル音楽の伴奏をしている映像。ノリノリで熱い魂の叫びのようなすごいゴスペルですね!!!このオルガン伴奏も普通ではなく、すごすぎます!!!会場の皆の魂に火が点きますね!





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最終更新日  2021年09月12日 06時07分58秒
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