文豪のつぶやき

2005.08.17
XML
カテゴリ: 新撰組
大身の旗本佐藤駿河守の背後には、近藤ら新撰組を江戸から追い出したい勢力がある。
幕閣と勝海舟である。
徳川慶喜はすでに恭順し上野寛永寺に蟄居している。慶喜は官軍と抗戦する気はさらさらなく、これに講和派の勝が命を受けた。
勝は火種になる勢力を江戸から追い出したい。その一つが新撰組であった。
新撰組はかつて京で尊攘志士をずいぶん斬っている。しかも江戸を根城に徹底抗戦の構えである。
勝は近藤に餌をつけ江戸から追い出したい。
近藤は百姓だ。大大名の餌をつければ、話に乗るだろう。
案の定、近藤は乗った。
だが乗った近藤に無理がある。新撰組は新たに徴募した浅草弾左衛門の配下をあわせても二百人余り、三千人の東山道方面軍に敵うはずもない。

それに甲府までの道中では、故郷多摩を通る。
故郷に錦を飾るとはこのことではないか。
老中に次ぐ若年寄格として多摩に凱旋できるのだ。
慶応四年3月1日、近藤率いる甲陽鎮撫隊は江戸四谷を出発する。
勝の策略は成功する。そして近藤が甲府で敗亡することも予想していたのではないか。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005.08.17 08:00:15
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: