文豪のつぶやき

2005.08.24
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カテゴリ: 新撰組
今後の新撰組の行く末を決める会合が生き残った幹部によって開かれた。
近藤、土方、永倉、原田、いずれも京の町を震撼させた一騎当千の強者である。
永倉、原田は幕臣で御書院番の芳賀宜通を盟主に一隊を組織、新撰組もこれに参加しようといった。
これには裏がある。
およそ策謀家にはほど遠い両人だが、近藤がこれ以前甲陽鎮撫隊を結成した頃、永倉ら同志に向かって家臣呼ばわりしたことがある。
永倉らにしてみれば心外だったろう。新撰組は役職の違いこそあれ、志においては同格である。
永倉らは近藤を盟主からはずそうとした。それがこの芳賀盟主擁立の一件である。
近藤、土方がそこまで感じていたかどうか。
ただ単純に戦略として、土方は江戸での戦さは無理だと感じている。すでに帰国している会津藩に合流するほうがいいと言った。東国ならば幕府側の雄藩も多い。十分戦える。

近藤は自分の意見は言わずただ、疲れた、とだけいった。
年の初めの鳥羽伏見の戦いに始まって、江戸への敗走、甲府での敗戦、思えば今年に入ってから敗戦続きである。
近藤は、時勢の星はすでにかれの頭上から消えているのを知っている。
国士たらんとして、なまじっか、教養をもったがために、単純な喧嘩屋の土方や永倉、原田とは違い気弱になっている。
結局、話し合いは決裂し、永倉、原田は江戸に残ることになり、土方は天領の流山(千葉)で兵を募り、会津に行くことになった。
近藤は、土方に引きずられるまま、流山に行く。





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最終更新日  2005.08.24 11:32:06
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