文豪のつぶやき

2005.09.24
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カテゴリ: 新撰組
五稜郭に戻った土方は、榎本に心変わりが見えるのを感じる。
榎本は降伏を考えている。大鳥圭介など幹部も同様であった。
理由はある。
ひとつには土方は明治政府軍の五稜郭侵攻のとき、二股口を受け持って見事に撃退したが、苦もなく破られた木古内口は大鳥圭介が受け持っていた。このとき北海道新政府の敗戦が決定的なことをうすうす気づいていた北海道新政府の兵が数百人脱走している。大鳥圭介の人望のなさであろう。
もうひとつは北海道新政府にとって存続の要であった艦船がほとんど使い物にならなったのである。千代田形艦は座礁し、回天は数百の砲弾を受け、蟠竜も機関故障。
海軍は全滅した。
海軍全滅は海軍総帥の榎本にとって相当ショックであったようで、これを機に榎本は降伏を考えるようになる。
榎本は所詮、幕臣二代目の知識人であったろう。自分のもっとも得意とする分野が駄目になると、すべて悲観的に考える。
大鳥やほか幹部も同様であったに違いない。

かれにとって勝敗は問題ではなく、いかに喧嘩をし続けるかのみしか頭にない。





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最終更新日  2005.09.24 05:04:49
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