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昭和12年(1937年)春、私は小学三年生になりました。このころ明るい出来事がありました。朝日新聞社がチャーターした飛行機・ 神風号
がロンドンまで飛んだのです。
ロンドンまでの途中、11箇所に着陸して、燃料を補給しながら飛びました。
ヨーロッパへの飛行なんて、今ではあたりまえのことですが、当時は大ニュースになりました。そのころの航空機の性能は、そんな程度だったのです。
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同じころ、ヨーロッパからも、何人かの人が飛行機で日本を目指したのですが、途中で不時着して果たせなかったのです。
神風号
は、4月9日ロンドン着。当時まだ友好関係にあったイギリスの、ジョージ6世の戴冠式が翌月に行なわれるのに先立つ壮挙でした。
操縦者は、 飯沼飛行士
と 塚越機関士
の2名。この 神風号
は、陸軍の新型偵察機の試作機だったそうです。
飯沼飛行士 塚越機関士

神 風 号
有名なアメリカのリンドバーグが、ニューヨーク・パリ間の大西洋横断飛行に成功したのは、昭和2年(1927年)、飛行距離は5,810km。それから10年後の、 神風号
の飛行距離は、無着陸ではありませんが、15,357 kmでした。
飯沼飛行士と塚越機関士は、ヨーロッパ滞在中に、ベルギーやイタリアの国王に招かれ、フランスでは、レジオンドヌール勲章を授けられました。現在の宇宙飛行士以上に、英雄視されたのですね。
ジョージ6世の戴冠式後、 神風号
は、その記録映画のフィルムを積み、同じ経路をたどって無事日本に帰着。飯沼飛行士と塚越機関士は、宮中に参内して、昭和天皇に拝謁したそうです。
神風号