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ボックスアート
プレイ風景
デザイナーはポーランドのWojtek KrupnikとWojtek Wojcik。このペアでポーランド語のゲームをいくつか作っており、英語ルール付きで広く発売するのは今作が初めてのようだ。パブリッシャーはポーランドのGalakta。ファンタジーフライトのゲームを数多く取り扱っているディストリビューターだが、自社オリジナルゲームもいくつか作っている。なお社名のGalaktaは日本語のガラクタとは無関係の模様w
「メタルム」は2人専用ゲームで、テーマはSF。ワープ理論が確立されたので、人類はそれを利用して太陽系外に進出しようとしたのだが、何と「有機生命体を転送すると100%分解する」というとんでもない問題が発生w 仕方ないのでロボットだけを送りこみ、ワープゲートのこちら側から遠隔操作で資源採掘だけを行うことにした。なにせ開発できる恒星系は事実上無限にあるので、最初のうちは大した喧嘩も起こらなかったが、未知の鉱物「メタルム」が見つかったことで事態は激変。こいつを利用すると、ついに有機生命体の転送が可能になるのだ。どう考えてもこれを独占した企業が宇宙の覇者である。プレイヤーは企業のエースパイロットとなり、メタルムがある恒星系に派遣した工作船を遠隔操作で操り、この星系の支配をもくろむことになる。
ゲームは9ラウンドに渡ってプレイされ、各ラウンドは主に「プログラミング」フェイズと「アクション」フェイズからなる。工作船の遠隔操作はリアルタイムでは行えないので、事前にプログラムを組み、工作船はそれに従って行動することになる。
プログラムにはさまざまなサブルーチンタイルを使う。各プレイヤーは同じ内容のサブルーチンタイルを12枚ずつ持ち、そのうち1~4枚を使ってプログラムを組む。このとき「移動」サブルーチンは必ず1枚(だけ)使わなければならず、他の「配置」「特別アクション」強化」サブルーチンは1枚ずつ使うことができる(使わなくてもいいし、使えないこともある)。各タイルにはコネクターが1つか2つあり、この色を合わせて他のタイルと組み合わせなければならない。強力なタイルはコネクターが少ないので、そのようなタイルを使ったラウンドでは使えるタイルの総数が減ることになる。また、一度使ったタイルはしばらくは再利用できないので、だんだん選択肢が狭まっていく。
サブルーチンタイル。左上の3枚が「移動」タイル。一番左のタイルを使うと工作船を3惑星分移動させることができるが、下向きの赤いコネクターがないので、そこにつながる「特別アクション」サブルーチンタイルを使うことができない。
組み上がったプログラムの例。次の「アクション」フェイズで、これに従って工作船を移動させたり、さまざまなアクションを実行したりする。
互いに秘密裏にプログラムを組んだら同時公開。使っているタイルの複雑度(各タイル上の数値。上図では5になる)を合計し、低い方が先手か後手を自由に選ぶ。惑星上で優勢争いをするので、その点では後手が有利だが、先手が有利な要素もあるので常に後手を選ぶのがいいとは限らない。
手番が来たら、プレイヤーは自分のプログラムに組み込んだサブルーチンを任意の順番で実行する。「移動」は必ず実行しなければならず、タイルに示されている分だけ必ず移動しなければならない(2惑星移動するタイルでは必ず2惑星分移動しなければならず、1惑星だけで移動をやめることはできない)ので、同じ惑星にとどまることはできない。他のサブルーチンの実行は任意。また、自分の工作船がある惑星の特殊能力を発動させることもできる。
「配置」サブルーチンでは、自分の工作船がある惑星上にエクストラクター駒(現地作業ロボット)を示されている数だけ置く。あとでこの駒数によって優勢を比較することになる。
「特別アクション」では惑星の価値を高めたり低めたり、追加移動/追加配置を行ったり、自分だけ得点計算したりする。
「強化」ではモジュールカードを市場から購入したり、追加で惑星の能力を使ったりできる。モジュールカードには惑星の横に置いて利用する軌道モジュールカードと、使い捨てのアクションモジュールカードがあり、それぞれさまざまな能力を持っており、適切なタイミングで使うことができる。
モジュールカードの例。銀色のが軌道モジュールカードで、茶色っぽいのがアクションモジュールカード。中央上の「工場」を購入したプレイヤーは、プログラミングフェイズ開始時にその惑星にエクストラクター駒を1個置く(必須)。中央下の「封鎖」は購入直後かラウンド開始時にプレイでき、そのラウンド中、相手は惑星の能力を使うたびに2ドルを支払わなければならなくなる。お金=勝利点なので結構厳しいペナルティだ。
惑星は優勢プレイヤーにお金をもたらすだけでなく、特殊能力も持っている。プレイヤーは自分の工作船がある惑星の能力をラウンドごとに1回だけ(特定の「強化」サブルーチンを組み込んだ場合は2回)使うことができる。
惑星イータ。任意の惑星上にエクストラクター駒を1個置くことができる。他の惑星の能力ではエクストラクター駒を移動/除去/交換したり、工作船を移動させたりできる。
両プレイヤーがアクションし終わったら、各惑星ごとに優勢判定を行い、より多くのエクストラクター駒を置いているプレイヤーは多めの、その相手は少なめのお金を得る。エクストラクター駒を置いていない惑星からは、当然利益を得ることはできない。
3ラウンドごとに使用済みのサブルーチンをすべて回収し、再利用できるようにする。9ラウンドプレイしたあと、より多くのお金を持ってるプレイヤーが勝者となる。
いやー、どうだろうね、これ。「移動」サブルーチンは3枚しかなく、毎ラウンド必ず1枚使わなければならず、使ったタイルは3ラウンドに1回しか返ってこない。つまり「移動」サブルーチンに関しては使う順番が変わるだけで、3枚を3回ずつ必ず使うことになる。そうとうままならないことになるだろう。すでに優勢を取っている惑星にしか移動できない状態というのが一番問題になりそうなので、そうならないよう先を見据えてプログラムを組む必要があるんじゃないかな。当然、惑星能力や軌道/アクションモジュールの利用/選択も重要だろう。モジュールについては全部が公開されてはいないので不明だが、やはり手番外に工作船を移動させたり、エクストラクター駒を配置/移動/排除できるものがあるといい気がする。
2人専用ゲーをプレイした経験があまりないので、ルールを読んだだけでは正確な評価を下せそうにない。だがテーマとアートワークは好みだし、プログラムシステムは(面白いかどうかはともかく)独創的で、その他機能していないルールもなさそうに見える。こういうゲームは一度試してみたいところだ。
BGGの和訳ルール
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