《櫻井ジャーナル》

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2009.11.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ジョージ・W・ブッシュ政権は、世界に怒りと憎しみを広めた。その切っ掛けになった出来事と言えば、2001年9月11日の航空機によるニューヨークの高層ビルへの突入とペンタゴンに対する攻撃だろう。その事件で「主犯格」だとアメリカ政府は主張しているハリド・シェイク・モハメドなど5名の容疑者をグアンタナモ基地からニューヨーク州へ移送し、連邦地裁で裁くと13日にバラク・オバマ政権は発表した。つまり、これから裁判で事実を検証するわけである。

 しかし、すでにアメリカ政府(といっても前政権だが)は「テロ」の実行者は「アル・カイダ」というCIAやアメリカ軍が育てた武装集団(自由の戦士と呼ばれた時期もある)だということにして、その指導者だというオサマ・ビン・ラディンを匿っているという口実でアフガニスタンを先制攻撃し、ついでに全く無関係のイラクも先制攻撃して多くの市民を殺害した。

 イラクなどでの正確な犠牲者数は不明だが、最も信頼できる調査、つまりアメリカのジョン・ホプキンズ大学とイラクのアル・ムスタンシリヤ大学の研究者が統計学的な手法を用いて行った推計では、2006年7月の時点で65万人以上のイラク人が殺害されている。また、イギリスのオピニオン・リサーチ・ビジネス(ORB)がまとめたリポートでは、2003年3月19日から2007年夏までの間に、戦争を直接・間接の原因とする死者が100万人に達すると見積もっている。現時点では、100万人をかなり上回っていることだろう。

 アメリカ国内では「テロ」の可能性を叫び、今回の裁判を止めさせようとする人たちもいるようだが、裁判になって拷問の実態の一部でも明らかになることを恐れているはずだ。すでに国防総省では写真の公開を禁止することを決めているのだが、オバマ政権としても予想以上に凄惨な状況だったのだろう。

 5名の容疑者が「9/11」について何を話すかも大問題である。ハイジャック犯の中心的な存在だとされているモハメド・アッタの場合は「死人に口なし」(ハイジャック犯とされた何人かは生きているらしいが)だが、それでも公式発表とは違うアッタ像も報告されている。

 事件の直後、アッタたちがアメリカ軍の基地で訓練を受けていた、イスラエルの情報機関がアッタたちをフロリダで監視していた、あるいは米軍情報部に所属する秘密部隊「エイブル・デンジャー」が1999年頃から追跡していたとする情報も流れている。アッタたちが小型飛行機の操縦を習っていたというパイロット学校が麻薬取引や情報機関と関係があるという話も伝わってくる。

 航空機の突入、ビル崩壊、ペンタゴン攻撃、いずれも公式見解は不自然で、納得のできる内容ではない。日本やアメリカの「左翼」は「第三世界の反撃」だと言って満足しているらしいが、確かに「賢い見解」ではある。巨大な権力に切り込むことなく、左翼的な雰囲気も感じさせられるからだ。権力者の闇に光を当てようとしたならば、強烈な報復が待っていることを知っているのだろう。

 それはともかく、「9/11」はアメリカをファシズム化する切っ掛けになった。かつてドイツでは国会議事堂の放火を利用してナチスが独裁体制を築いていったように。真珠湾攻撃の後、アメリカ政府が第2次世界大戦に参戦したことを連想し、「9/11」を新たな真珠湾攻撃と呼ぶ人もいるが、「9/11」と真珠湾攻撃には大きな違いがある。真珠湾攻撃は日本軍が実行したことは明確だが、「9/11」は誰が実行したか、少なくとも現段階では明らかでなく、公式見解に大きな疑問があることも事実だ。ハリド・シェイク・モハメドたちの裁判がこうした疑問に答えを提供できるのかどうか、注目したい。





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最終更新日  2009.11.18 04:05:38


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