《櫻井ジャーナル》

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2010.01.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 現在、移設問題でもめている米海兵隊の普天間飛行場に限らず、在日米軍基地はアメリカの軍や情報機関にとって重要な拠点になっている。

 第2次世界大戦後、アメリカの軍事強硬派は中国大陸で国民党を支援する工作を開始、人民解放軍が勝利すると共産党体制を倒す秘密工作を始めて軍事侵攻も試みている。そうした作戦で日本の基地が果たした役割は大きい。(この辺の詳しい話は拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』で触れている。)

 1950年の春には朝鮮戦半島で秘密工作を開始、4月には池田勇人が訪米した。6月には朝鮮戦争が勃発するが、その直前にはジョン・フォスター・ダレスたちアメリカの要人が日本側の人間と日米軍事同盟について東京で話し合いをしている。1964年からアメリカはベトナムに本格的な軍事介入を開始しているが、この戦争も日本の基地がなければ実行できなかっただろう。

 その後は中東地域に在日米軍の守備範囲は広がり、ジョージ・H・W・ブッシュ政権のときには湾岸戦争、そしてジョージ・W・ブッシュ政権はアフガニスタンとイラクに先制攻撃を仕掛けて泥沼から抜け出さなくなった。アフガニスタンとイラクでの戦争には自衛隊も直接、参加している。

 イラクでの戦闘が泥沼化する切っ掛けは2004年3月にファルージャで起こった出来事。傭兵会社「ブラックウォーター(現社名:Xe)」に雇われた傭兵4名が待ち伏せ攻撃で殺害されたのである。

 この直前、第1海兵遠征軍のジェームズ・マティス司令官はファルージャで激しい掃討作戦を展開し、多くの市民が犠牲になった。当然、市内の反米感情は極度に高まったわけだが、そこに軽武装の4名がジープで入ったのである。「人身御供」として送り込まれたと言われても仕方がない状況だ。

 その際、イラク人側は4名がCIAの仕事をしていたと主張していたが、ここにきてCIAとブラックウォーターとの協力関係が明確になっている。ジョージ・W・ブッシュ大統領は暗殺工作を承認したが、その暗殺チームにブラック・ウォーターのメンバーも含まれ、そのターゲットにはドイツのハンブルグに住むマムーン・ダルカザンリやパキスタンの科学者A・Q・カーンも含まれていた。

 この話をアメリカの雑誌バニティ・フェアが明らかにした後、ドイツの当局は調査を開始している。すでにイタリアでは拉致の容疑でCIAの人間を指名手配しているわけで、アメリカは表面的にも「テロ帝国」になってきたようだ。

 ブラックウォーターの創始者エリック・プリンスはSEAL(海軍の特殊部隊)出身でOSS(戦時事務局)を指揮していたウィリアム・ドノバンを尊敬しているという。ドノバンは親友で弁護士仲間のアレン・ダレスとともに「破壊工作部隊」を編成していた。大戦後、この部隊を再現したのがOPC(政策調整局)で、1950年代に入ってからはCIAの一部局として暗殺やクーデターを実行している。



 先月30日にアフガニスタンではCIAの重要基地が自爆攻撃にあい、7名、あるいは8名の情報機関関係者が殺されているのだが、そのうち2名はブラックウォーターの人間だとも報道されている。

 この自爆攻撃の背景には、無人機が多くの非武装の市民を殺害し、地上でも掃討部隊が寝込みを襲って子どもを含むアフガニスタン人を手錠した上で殺すというようなことをしている。日本政府はこうした殺戮を支援してきたということを忘れてはならない。





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最終更新日  2010.01.09 19:48:26


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