《櫻井ジャーナル》

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2010.03.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカがイランと同じような、あるいはそれ以上の「宗教国家」だということを再確認させる判決が11日にサンフランシスコの巡回控訴審で言い渡された。学校で毎日行われている「忠誠の誓い」に「神の下で」という語句を加えたのは特定の宗教(つまりキリスト教)を非キリスト教徒に強制する行為であり、憲法に違反しているとする訴えを退けたのである。大統領も演説の最後に「神の加護」なる語句を付け加える国であれば、裁判所がこうした判決を出しても不思議ではない。

 とは言うものの、この決定をアメリカの圧倒的多数が支持していわけでもない。今回の判決も2対1で判事の判断が割れている。1954年に議会が「神の下で」という語句をいれたのは、国教の考え方を子どもに教え込むことが目的だったと少数意見の判事は主張しているが、その通りだろう。

 2002年6月には今回と逆の判決が言い渡されていた。「神の下で」という語句を加えたのは、(キリスト教の)神を信じない人はよそ者だとするメッセージであり、宗教と国家の分離を定めた憲法に違反するとしていたのである。

 ところが、この判決を議員たちは激しく非難し、最高裁は訴訟を起こした人物に裁判を起こす権利がなかったとして判決を棄却している。その人物は父親として、娘に替わって2000年に裁判を起こしていた。最高裁の判決を受け、男性は新たな訴訟を起こしたのである。

 アメリカは「神」の名の下に先住民を大量虐殺して誕生した国であり、中東では宗教的な理由からイスラム教徒を敵視する人物を掃討作戦の指揮官にしてきた。勿論、ウィリアム・ボイキン中将のことを指している。アメリカでは狂信的なキリスト系カルトが大きな影響力を持っているのだ。

 権力者にとって「神」は便利な「呪文」である。何しろ、神は神聖で侵すことのできない存在であり、合理的に説明できない、不適切で不公平な倫理に反するような行為であっても、「神の意志」というひと言を付け加えれば正当化できる。

 ところで、今回と逆の判決が言い渡された2002年といえば、ジョージ・W・ブッシュ政権が偽情報を撒き散らしながら危機感を煽ってイラクを先制攻撃しようとしていた時期にあたる。その時よりも現在のアメリカはカルト的になっているように見える。神にすがるしかないほどアメリカは無惨な状況になっていると解釈できるかもしれない。





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最終更新日  2010.03.13 15:59:49


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