《櫻井ジャーナル》

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口座名:櫻井春彦

2010.04.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカのバラク・オバマ大統領やベン・バーナンキFRB議長は中国に対し、人民元は過小評価されていると主張、通貨の切り上げを要求している。1980年代に日本が攻撃されたのと似た構図だ。

 アメリカを拠点とする巨大企業、あるいは莫大な資金を集めている「投機ファンド」の行動を規制しないかぎり、アメリカ経済の衰退は止まらないのだが、そうした企業やファンドを金づる、あるいは将来の金づるにしている政治家や官僚たちに対し、そうしたことを期待するのは無理だ。

 1980年代、つまりロナルド・レーガン政権は日本経済の基盤は優秀な中小企業群にあると考えて「ケイレツ」を問題にし、1985年9月にはニューヨークのプラザ・ホテルで開かれた「先進5カ国」の蔵相/中央銀行総裁会議、いわゆるG5でドル安/円高の方向を決めている。

 為替に関心のある人なら、こうした「ドル安/円高」の流れを予測していた。金融機関は勿論であり、アメリカの財務省証券を買うことのできない環境だった。証券の相場が下がらなくてもドル相場が下がれば、円で計算すれば値下がりすることになるからである。

 しかし、日本がカネを出さなければアメリカ経済は破綻する。そこで銀行から「値下がり確実な商品」を押しつけられたのが日本航空。「超長期先物予約」で大量のドルを抱え込んだのだ。この取り引きが同社の経営破綻の一因になっている。1985年8月、日本航空の旅客機が墜落しているのだが、この年は日本航空にとって悪夢のような年だったといえるだろう。

 レーガン政権は経済の「カジノ化」を促進し、表面的な繁栄は実現したものの、経済の足腰はますます弱まっていく。そして、同じ道を日本も歩んでいった。1986年にシンガポールで「日経平均先物取引」が始まるのだが、この出来事は日本人を博奕の世界へ引きずり込む第一歩だ。

 実は、すでに1982年頃から日本では投機資金が動き始め、「誠備事件」や「投資ジャーナル事件」、商品取引では「豊田商事事件」などが起こっている。こうしたアンダーグランドの世界へ日本の大手企業が本格的に足を踏み入れていくのも同じ頃だ。

 マスコミが「バブル」だと騒ぎ始めた頃、株式相場は天井が視野に入っていた。そして1989年の終わりにピークを迎え、翌年に大暴落する。この出来事を切っ掛けにして証券界や銀行の不正が発覚するのだが、発覚した事件の裏に隠された闇に光が当てられることはなかった。証券会社や銀行といった博奕の参加者を助けるため、日本の中小企業が壊滅的な打撃を受け、庶民の地獄がはじまり、日本社会の衰退が加速度的に進んだ。

 ジョージ・W・ブッシュ政権も経済の「カジノ化」を推進し、戦争で大企業や巨大投機ファンドを儲けさせたが、アメリカという国は崩壊寸前である。カジノの行き詰まりで破綻した銀行や保険会社を税金で救った。救ったといっても問題が巧妙に隠されただけの話で、結局のところ、そのつけは庶民に回される。






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最終更新日  2010.04.16 18:13:44


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