《櫻井ジャーナル》

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2010.05.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 NPT(核不拡散条約)再検討会議が閉幕した。核兵器保有国の身勝手な態度に対する批判が強まる中で開かれたのだが、ここでもアメリカとイスラエルとの異様な関係が目立った。

 核兵器の独占体制を維持しようとする核兵器保有国への批判が高まる中、昨年4月にバラク・オバマ米大統領は「核兵器のない世界」を訴えている。ネオコン(新保守/親イスラエル派)のような核攻撃を夢見る勢力を抱えるアメリカが核兵器の廃絶に向かうことはきわめて困難なのだが、そう言わざるを得なかったのだろう。

 アメリカと特殊な関係にあるイスラエルは、核兵器を使った「恐怖外交」を駆使してきた。そのイスラエルを必死に擁護しているのが歴代のアメリカ政府。オバマ政権も例外ではない。どうやら、オバマ大統領が言うところの「核兵器のない世界」において、アメリカとイスラエルは例外的な存在なのだろう。アメリカとイスラエルだけが核兵器を保有する世界をアメリカ政府は夢見ていると思われても仕方がない。

 そのイスラエルがイランに対し、核兵器を突きつけて脅している。射程距離が1500キロメートの核巡航ミサイルを搭載した3隻のドイツ製潜水艦をペルシャ湾に派遣、イランの海岸近くで威嚇しようとしているのだ。この潜水艦、50日間は潜水が可能で、約450メートルの深さまで潜れるという。こうした行為はアメリカ政府に対する恫喝という側面もあるはずだ。

 イスラエルにはアメリカをコントロールした「成功体験」がある。1973年10月6日に始まった第4次中東戦争では、劣勢のイスラエルが8日に核ミサイルの発射を決断、この動きをソ連が察知してエジプト側に警告している。9日にはアメリカ政府へもこの事実を伝えた。アメリカ政府はソ連の動きを警戒、イスラエルの反撃を支援するため、同国に対して軍事物資を空輸している。そして停戦の合意が内諾された。

 ところが、反撃体制の整ったイスラエルは停戦の内諾を無視、エジプトを激しく攻撃し続けた。そこでソ連は「適切な対抗策」を講じると警告、それに対してアメリカ政府は空母を地中海に派遣し、グアムからB52をアメリカ本土へ移動させた。アメリカとしてはソ連との軍事衝突も覚悟したのだろうが、ここでイスラエルの攻撃は収まる。要するに、イスラエルの核兵器はアメリカをコントロールする有効な手段だということ。当時よりも核攻撃能力がはるかに高まっているイスラエルが核兵器をすんなりと手放すはずはない。オバマ大統領にイスラエルを押さえ込む能力があるとは思えない。





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最終更新日  2010.05.30 15:06:54


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