《櫻井ジャーナル》

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2010.07.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカの国防総省は、次の中央軍司令官としてジェームズ・マティス大将を選んだようだが、この人選に呆れた人は少なくない。何しろ、2005年、当時は中将だったが、その年にマティスは「人を撃つのは楽しい」と公言、それだけでは足りず、アフガニスタンの男を「撃つのは本当に楽しい」と念を押している。

 ジョージ・W・ブッシュ政権下の2003年、国防副次官に任命されてイラクの掃討作戦を指揮したウイリアム・ボイキン中将の場合はカルトに毒されていた。例えば、2002年6月には、1993年にソマリアで撮影した写真には「暗黒の印」が写っていたとオクラホマ州の教会で話している。また2003年6月には、自分たちは「サタン」と呼ばれる霊的な敵と戦っていると口にし、オサマ・ビン・ラディン、サダム・フセイン、そして金正日の写真を示しながら、「イエスの名の下に戦えば、あの霊的な敵を打ち破ることができる」と発言したのだという。つまり、ボイキンは宗教的妄想に取り憑かれ、異教徒を殲滅したいと願っていた。

 こうした手合いが「出世」しているのがアメリカ軍。非武装の市民、負傷者を助けようとしていた人々、近くにいた子どもなどを攻撃型ヘリコプターから兵士が銃撃しても不思議ではない。

 そうした実態の一端を垣間見せてくれたのがWikileaksが公表した映像。ロイターのカメラマンが殺される様子も映っていた。その映像をWikileaksに提供したブラドレー・マニング特技兵は逮捕され、50年近い懲役刑を言い渡される可能性がある。

 つまり、アメリカ軍では一般の兵士から将軍まで、占領地で楽しみのために人を撃っていること自体を問題だとは考えず、その事実が外部に漏れることを恐れているわけだ。それを問題にしないメディアの腐敗も救いがたい。

 アメリカが世界最大の「テロ国家」だということは、『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない:アメリカによるテロの歴史』(三一書房、2005年)で書いた通りなのだが、そのくせ「テロリストを許さない」というポーズをとりたがり、自分たちのテロ行為に刃向かう勢力を「テロリスト」と呼び、自分たちのテロ行為を正当化する口実にしてきた。

 自分たちがテロ行為を繰り返してきただけでなく、アメリカは自分たちに従うテロリスト、あるいは独裁者が大好きである。イスラエルの歴代首相には「元テロリスト」が多く含まれているだけでなく、現在でもガザやヨルダン川西岸では白人政権時代のアパルトヘイト政策を推進、巨大な壁で周囲を囲んでパレスチナ人から自由を奪い、物資の流入を極端に制限して事実上の兵糧攻めを継続、軍隊を入れての虐殺も繰り返してきた。そんな国をアメリカでは議員も政府も無批判に支持している。

 イラン、グアテマラ、チリなど世界各地でアメリカ政府は民主的に選ばれた政権をクーデターで倒してきた。自分たちが操る独裁者が死亡すれば、「弔意」を表してきた。ところが、7月4日に死亡したレバノンの宗教指導者モハンマド・フセイン・ファドゥラーに弔意を表したCNNの中東担当編集者オクタビア・ナスルはすぐに解雇されている。ファドゥラーが一時期、ヒズボラの武装闘争を支持したことが理由だというが、ほかの例と比較すると、CNNが公正な判断を下したとは到底、言えない。





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最終更新日  2010.07.10 19:06:11


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