《櫻井ジャーナル》

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2010.07.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 バラク・オバマ政権は6日、事実上、イスラエルの核兵器保有を容認すると表明した。今年5月に宣言していた「核兵器のない中東」という目標を降ろしたわけだ。「イスラエルは特別な存在」だとする意見に押し切られたのか、自発劇に「転向」したのかは不明だが、結果としてNPT(核拡散防止条約)に唾を吐きかけたことになった。

 本コラムでは何度も書いているように、イスラエルは世界有数の核弾頭保有国だと信じられている。イスラエルの核施設で働いていたモルデカイ・バヌヌは1986年、イスラエルが保有する核弾頭の数を200発以上だと告発、イスラエル軍情報部の幹部だったアリ・ベンメナシェは1981年で300発以上の原爆を保有、この年には水爆の実験にも成功していると主張している。ジミー・カーター元大統領は150発という数字を示している。

 しかも、イスラエルは単に保有しているだけではない。1973年の第4次中東戦争では窮地に陥ったイスラエルが核兵器の使用を閣議決定している。

 このときはソ連の情報機関がこの決定を察知、エジプトやアメリカの政府へ警告している。アメリカは軍事物資を空輸してイスラエルを支援した。ヘンリー・キッシンジャーはエジプトのアンワール・サダト大統領に対し、核戦争へとエスカレートすることを防ぐためだったと説明した。

 ところが、図に乗ったイスラエルは停戦の合意を無視、エジプトへの攻撃を続行した。そこで、ソ連はアメリカに対し、イスラエルが停戦の合意を守らないならば、適切な対応策を講じると警告したという。イスラエルの暴走が米ソ開戦を誘発するところだったわけである。

 イラクでサダム・フセイン体制が崩壊してからイスラエルやアメリカの親イスラエル派は次のターゲットをイランに定め、軍事侵攻を臭わせてきた。現在、アメリカ上院で筋金入りの親イスラエル派議員、ジョー・リーバーマン、ジョン・マケイン、リンゼイ・グラハムはイスラエルを訪問中だが、7日にはリーバーマン議員が「必要なら軍事行動を起こす」とエルサレムで言明している。

 いつものことと言えば、いつものことだが、アメリカ議会のイスラエル信仰はすさまじいものがある。(メディアも一緒だが)パレスチナに対する兵糧攻めと虐殺を容認しているだけでなく、最近では公海上で民間の船団を襲撃したイスラエル軍を支持している。

 イスラエルは「建国」の際と1967年の第3次中東戦争で予定していた領土を確保できなかったようで、パレスチナ人を追い出すために「アパルトヘイト政策」を採用し、虐殺を繰り返すことで恐怖から逃げ出すのを待っている。いわば、「民族浄化」を実行しているわけである。

 世界的に、庶民の間からイスラエルを批判する声が高まっているのだが、アメリカやイスラエルの支配層は従来通り、強行突破を狙っている。こんなことを続けていると、アメリカ帝国崩壊の切っ掛けになるかもしれない。





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最終更新日  2010.07.09 12:45:22


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